日本の文化や習慣についての会話表現を学びながら、スピーキング力を向上させる英会話教材です。『ミライ系 NEW HORIZONでもう一度英語をやってみる』で一躍有名になったデイビッド・セイン先生の著作です。
英語で日本の文化を伝えるための英会話教材
海外の方に日本のことを尋ねられたときに、すぐに答えることはできますか?
英語はある程度話せるのに、日本のことを知らなくて情けない経験をした、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。『デイビッド・セインのデイリースピーキング 日本紹介・異文化理解編』は日本の文化や習慣を題材にした英会話教材です。
本書はセクションが月ごとに分かれており、その月の日本の伝統行事や習慣に関する会話表現が学べるよう構成されています。1月から12月まで通して学習すると日本の年間行事についての会話を一通り学ぶことができます。
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デイビッド・セイン『デイビッド・セインのデイリースピーキング』 |
会話は6人の日本人キャラクターが、外国人同僚に日本の文化について解説するという内容です。生きた英語表現が学べるだけでなく、日本に対する理解が深まる点も当教材で学ぶメリットです。
このデイリースピーキングシリーズはシーン別に4冊刊行されています。『日本紹介・異文化理解編』の他に『日常会話・トラブル編』、『オフィス・海外出張・留学編』『買い物・レストラン・接客編』があります。全編通して学ぶことで、会話表現の幅がさらに広がります。
インプットとアウトプットをバランス良く学習
このスピーキング教材の優れた点は、インプットであるリスニングと、英語表現の暗記、覚えた表現を実際に口に出すアウトプットがバランス良く練習できることにあります。英語を話すためには会話を聞き流すといったインプットだけでは上達は難しく、覚えた表現を口に出すアウトプットが必要です。本書ではそれを踏まえて無理なくアウトプット学習ができるよう工夫がされています。
まず、3回ほど会話表現を聞いて内容を掴み、次にテキストを確認して表現を覚えます。その後、日本語のスキットを見ながら英訳を声に出して言う練習をします。聞いて確認し、口にする、を何度も繰り返すことで「頭で」だけでなく、耳や口が英語を覚えて、実際の会話で悩まずスムーズに話すことができるようになるのです。
この3つのステップは、1章(1ヶ月)に6セクションあり、それが12章分(12ヶ月分)あります。最後までやり遂げれば、圧倒的な数の会話表現に触れることができます。
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デイビッド・セイン『デイビッド・セインのデイリースピーキング』 |
英語はできるのに会話が続かない!を解決
紹介されているテーマや会話表現のバリエーションは豊富ですが、単語や文法の詳しい解説は少なめです。英語初心者の方が取り組むにはやや難しい内容かもしれません。しかし、使われている単語や熟語、文法などは基本的なものなのでTOEIC600点程度の実力のある方であれば、無理なく学ぶことができるでしょう。
ある程度英語を理解できるが、実際の会話になると表現のストックが足りずに会話が続かない、返答に困る、という方に役立つ教材といえます。
独学でもスピーキング力は向上できる
英会話学習にはアウトプットが大切、とは言っても、日本で暮らしていると英語で会話をする機会はめったにありません。英会話教室に通うか、外国人の知り合いを見つけるか、といった行動を起こさなければならず、そのためにはお金も時間も必要です。
このような英会話学習によくある障害を取り除き、テキストと音声だけで最大限の学習効果が得られるように工夫されているのがこの教材の優れた特徴です。豊富なテーマの会話を聞いて覚え、実際に口に出すトレーニングを重ねることで、独学でも英語を話す力を養うことができます。
日本の文化や習慣だけでなく、「日本人がマスクをつける意味は?」「なぜ日本人は大人になっても漫画を読むのか?」など、海外の方とのちょっとした会話でよく話題になるトピックが取りあげられている点も注目すべきポイントです。
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デイビッド・セイン『デイビッド・セインのデイリースピーキング』 |
日常会話で話せる事柄が増えると英会話が楽しくなり、臆せず会話できるようになるという効果も期待できます。
英語が理解できても会話が苦手な方、日本の文化や習慣について英語で説明できるようになりたい方などに特におすすめします。
まとめ
- 会話表現のバリエーションが豊富。
- インプットだけでなく、アウトプットのトレーニングができる。
- 日本の文化や習慣について英語で説明できるようになる。
- 独学でスピーキング力を養うことができる。