日本人特有の英語の発音を矯正したいが、これまでにうまくいかなかった人がコツをつかみ練習できる発音矯正のための教材です。
日本人発音の特徴と英語の正しい発音の違いを知る
発音矯正する前に、まずは英語と日本語の発音の違いについて知る必要があります。英語を話すときの顔や口の動きは、日本語を話すときの動きとは異なります。
母音と子音の割合も違います。日本語は約60%が母音で構成されているのに比べて、英語は母音が20%です。日本人の感覚で母音を強調したまま英語を発音すると、日本人特有の英語発音になるのです。
英語は子音が8割を占めているため、子音の発音が重要になります。そのため子音を強調した発音の仕方を知ってトレーニングすることが、英語を正しく発音することにつながります。これらの違いを知らないままネイティブスピーカーの発音の真似しても、発音を改善するのは難しいでしょう。
多くの日本人が「R」の発音が苦手だと言います。学校で教わる発音では、図で舌を巻くようになっていますが、実はそれが誤解で発音を難しくしています。どのように発音すればうまく「R」の発音ができるのか、そのコツと練習が紹介されています。L、Y、W、H、ThなどRと同じように間違って覚えられている子音についても詳しく説明がなされています。
子音の発音を段階的に練習する
子音を強調するといっても、ほとんどの学習者はやり方がわからないでしょう。
まずは伸ばせる子音と伸ばせない子音の説明からスタートします。単音の練習、それから単語の発音、単語と単語のつながり、センテンスの発音と段階を踏んで優しいものから順番に難しくなっていくので、無理なく発音の練習をすることができます。
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藤澤 慶己『オドロキモモノキ英語発音』 |
パートの中も3つのステップにわかれていて、ステップ1は日本人の典型的な英語の発音と正しい英語の発音を聴き比べて違いを理解します。
ステップ2は音声を聴きながら正しい発音にするためのコツをつかみます。口の形をどのようにして音を出すかと言った説明とコツを学びます。
ステップ3は、音声を聞いてその後に発音をする練習をしていきます。単語の発音の真似をするだけでなく、子音1つを取り上げて、その子音を2回発音してから3回目に単語を発音すると、うまく発音できます。自分の発音をボイスレコーダーやパソコンで録音して聞いてみると、客観的に発音を聞くことができるのでお勧めです。
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藤澤 慶己『オドロキモモノキ英語発音』 |
言語学博士の著者による分かりやすい解説
著者は米国テネシー州の州立大学で博士号を取得しています。リゾナンスという、声がどこで響いているかを確認すると日本語と英語の発音の違いがわかります。
日本語は下あごを多く使用し、喉のところで声が響いているのが感じられます。一方で英語の子音は口先で声が響き、上あごが多く使われているという違いがあります。
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藤澤 慶己『オドロキモモノキ英語発音』 |
英語をきれいに発音するためには、このリゾナンスを意識してみることが良いでしょう。他にシンコペーションという1つの音の長さを比較したときにも日本語と英語の違いがあります。
このように言語学博士である著者は、日本人の発音を英語らしいものにするためのテクニックやコツをたくさん紹介しています。これまで発音がうまくできなかった人も、本書でコツをつかみ練習すれば、典型的な日本人発音から脱却できるでしょう。
ラジオ講座のように単体で学習できるMP3ファイルが付属
付属CDでは、ラジオ講座のようにテキストの内容と発音を解説しているため、CD単体でも学習できるようになっています。
CDにはMP3ファイルとして収録しているため、通常のCDプレーヤーではそのまま再生できません。パソコン上で再生するか、携帯MP3プレーヤー、スマホ等に転送して聞くことになります。
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藤澤 慶己『オドロキモモノキ英語発音』付属CD(1枚組) |
まとめ
- 日本人の英語発音とネイティブスピーカーの正しい発音の差異を理解する。
- ステップを踏んだトレーニングで英語発音のコツをつかむ。
- 言語学博士の著者による分かりやすい解説で理解が進む。