質問
現在社会人をしており、一番最近受けたTOEICのスコアは830点です。海外留学などの経験はありませんが、中・高・大と英語が好きで、勉強していました。洋楽や海外のドラマが好きで、リスニングには自信があります。
一方で、リーディング、特にPart5とPart6が苦手分野です。Part7はなぜか得意で、感覚で解いていくことができます。現在の勉強法は、空いた時間に『文法特急シリーズ』を取り組んでいる程度です。
社内での今後のキャリアのために、TOEIC900点以上が必要なのですが、800点前後で伸び悩んでおり、900点を超えることができません。また仕事が忙しくなかなか勉強時間がとれないため、効率的な勉強法を見つけたいと思っています。何かよいアドバイスはないでしょうか。よろしくお願いします。
回答(さかえ)
リーディングが苦手ということですので、まずは多くリーディング問題を多く解くこと、更に長文を多く読む練習をしてみましょう。その際、一度文章を読んで問題を解いて答え合わせをしてそれでおしまい、とせずに、練習した問題の復習を徹底的に行ってください。
その際は、「語彙・表現が分かっているか、文法や構文はとらえられていたか」というミクロの視点だけではなく、「全体の論旨の流れをしっかりつかめていたか」のマクロの視点の両方を意識して復習を行うと、TOEICのリーディングセクションを解く力は急激に伸びていきます。
ミクロの復習方法は、その文章に出てきた語彙で知らなかったものの意味を調べたうえで、音読やシャドーイングを繰り返すことをおすすめします。過去問をやりつくしてしまったならば、TOEICは830点ということですので、Z会の『速読速聴・英単語 TOEIC TEST GLOBAL 900』などを利用してみることをおすすめします。
マクロの復習方法は、英文の話の流れの簡単なメモを作り、全文和訳を参照するなどしながら文脈を間違いなく追うことができていたかのチェックを行います。これはパラグラフリーディングの勉強方法の基本ともなります。
メモの作り方はパラグラフごとに作成します。
例えば:
第1パラグラフ→テーマのイントロダクション・問題点の羅列など
第2パラグラフ→前提条件の説明や最初の問題点の説明など
第3パラグラフ→第2の問題点の説明など
…
最終パラグラフ→結論を示す・新たな問題点の指摘など
というように、各パラグラフが文章全体の中でどのような位置づけにあるかを把握し、適宜内容を簡単にまとめていきます。もちろん日本語でメモを取っても構いません。このような訓練を取り入れることで、構文・語彙などのミクロの視点だけではなく、文章全体で何が書かれていたかというマクロの視点、いわゆる「論理把握能力・読解力・予測能力」が鍛えられます。
また、ご質問者様のTOEICスコアからすると、十分に上級者レベルに足を踏み入れているかと思います。初級者~中級者のうちは、勉強すればしただけすぐに効果が出てスコアも右肩上がりで伸びていきやすいと思いますが、上級者になってくると必ずみなさんどこかで伸び悩みの時期を経験しています。勉強しても思うようにスコアが伸びない時期ですね。
スコアが伸びない時期があっても、それまでの勉強方法を信じて我慢して勉強しているうちに、ある時突然またレベルアップするときが必ずやってきます。精神的には厳しいですし、モチベーションの維持も大変かとは思いますが、さらなるレベルアップのための地力をつける時期と考えて乗り切ってください。