TOEICの文法問題の対策を行うための本で、1問につき1つ解説がついています。初級・中級・上級に分かれており、基本的な文法から発展的な文法までチェックが可能です。
タイトルにある1駅というのは、『1駅1題 新TOEIC TEST 文法特急』が電車通勤の合間に読むことを想定されており、駅と駅の区間の間で問題を解くことができるようになることを当初の目的として設定されていることによるものです。
しかし構成上、1問解いてすぐに解説を読むという形で勉強することもでき、読者のライフスタイルに合わせた活用が可能な本と言えます。
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花田 徹也『1駅1題 新TOEIC TEST 文法特急』 |
あらゆるレベルの学習者が一度は目を通すべき
TOEICの文法問題は一種の知識問題であることから、"知らないと解けない"という性質を持っています。しかし逆に言えば、知っていれば確実に解ける問題でもあり、重要な得点源となるのです。
この点から、初級者から上級者まで、文法知識の抜け落ちが無いかどうかを確認する意味でも一度目を通しておくべき本であると言えます。
特に上級者向けの問題には難易度が高いものや引っかけ問題も含まれており、文法問題で満点を狙うのならば確実にチェックしておくべきポイントを押さえています。
ここで抜け落ちていた知識について改めて詳しい文法書などで確認することで、確実な知識を得ることができるでしょう。
コンパクトで取り組みやすく、持ち運びやすさも魅力
本書は、右側のページに問題、左側のページに前のページの解説、といったような構成になっています。そのため、先にまとめて問題を解くこともできますし、1問ずつ解説を挟みながら取り組むこともできます。
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花田 徹也『1駅1題 新TOEIC TEST 文法特急』 |
全体の問題数は少ないですが、その分内容はコンパクトにまとめられており、最初から最後までモチベーションを維持しやすい構成になっています。本自体の大きさも小さく、まさに電車の中などでスキマ時間に読むのに最適となっています。
『1駅1題 新TOEIC TEST 文法特急』だけで文法を全て網羅できるわけではありませんが、改めて時間をとって勉強するのが難しい人や、試験直前にイメージトレーニングやブラッシュアップをしたい人には頼りになる本と言えるでしょう。
コンパクトの反面、解説は少し難がある面も
内容がコンパクトにまとめられているため、その弊害として解説が物足りなく感じるところがあるかもしれません。
初級編や中級編での解説は詳しく踏み込むようなこともないのですが、複数の選択肢が正答になり得るが一方しか説明されていないなど、上級編での解説には粗が見られる点もあります。
しかし、こうした点については900点台を狙い、かつ文法問題は満点で通過したいという人にのみ関連するところで、一般的なTOEIC受験者に対する本書の評価をおとしめるものではありません。
初級編・中級編での解説は文法的内容の他に問題の急所を突くような解説をしており、TOEICにまだ慣れていない人にとっては目から鱗が落ちるでしょう。
まとめ
- コンパクトにまとめられたTOEICの文法問題対策集。
- 基本的なレベルから思わず点を落としてしまうレベルまで触れている。
- 持ち歩きやすくスキマ時間に取り組みやすい構成。
- 概ねの解説はTOEIC対策として申し分なく、文法問題の"解き方"を学べる。