『アメリカ口語教本』シリーズは、50年以上の歴史を誇る由緒正しい英会話教材です。
著者のWilliam L. Clark先生はネイティブスピーカーなので、誤りのない自然な英文を使って英会話を学習できます。シリーズの「入門編」を終了した人が次に取り組む参考書です。
わかりやすい学習の流れがある
本書は全部で10課に分かれていて、それぞれ5つのセクションがあります。学習を始める際は、まずSection IIの「APPLICATION DIALOGUE」から取り組みます。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』 |
テキストを見ないでCDから聞こえてくる英語を復唱します。復唱をするときには、耳と口に神経を集中して、お手本に近づけるように練習をしましょう。その後にSection IIIとSection IVにうつります。
「Section III NOTES ON CONVERSATIONAL STYLE」では会話で出てくる重要フレーズや文法の解説があります。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』 |
「Section IV PRONUNCIATION DRILL」は発音練習のためのコーナーです。発音をする際に気をつけたいポイントが説明されてあり、CDを使用しながら練習ができるようになっています。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』 |
「Section V PATTERN USAGE DRILL」で、これまでその課で学んだことを応用できるかどうかの確認をします。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』 |
4つのSectionを終えたところで、最初の「Section I PRESENTATION」に戻ります。1日1課と決めて学習し、各Sectionに沿っていくことで計画的に学習を進めることができます。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』 |
文化的要素を含んだ興味深い内容で飽きさせない
10課それぞれの最初にあるのが、「Section I PRESENTATION」の短い英文です。
その課で学びたい語句や文法項目を取り入れている点では他の学習書と変わりがありません。しかし本書の英文の特徴は内容が文化的要素を含んでいて興味深いということです。ネイティブスピーカーがアメリカの文化を中心とした内容で英文を書き上げています。
英文自体に貴重な文化的要素が含まれているので、読んで英語そのものを習得するだけでなく、アメリカの文化も学んでいきましょう。
まずは英文を読み切ります。わからない単語があっても辞書で調べたり、本書下の欄にある語句解説を読んだりしないようにします。わからない語句は文の前後の意味から推測するくせをつけます。
英文を読んでから本書で語句を確認して、もう一度英文を読み返してみてください。推測した語句の意味はあっていましたか?英文を二回目に読むときに、始めよりも内容が理解できて、語句の意味が文の中でわかるようになっていることでしょう。それでもわからない部分がある場合は、英文の日本語訳が用意されているので確認してください。
間違って覚えている英語の使い方を見直せる
日本ではどうしても英単語の丸暗記が定着していたせいか、単語の日本語訳を知っていても実際の正しい使い方ができていない語句がたくさんあります。教科書で学ぶだけでは分からない語句のニュアンスや本当の使い方の解説が本書に含まれています。
例えば「I’m sorry.」 と「Excuse me.」の違いは初心者のみならず、英語をある程度できる人でも間違って使用している場合があります。英語を使ってみて間違いに気づくこともありますが、日本人が一般的によく間違えるフレーズをあらかじめ知っておけば、誤った表現を使ってしまうことを防止できます。
シャドーイング学習に適したゆっくり音声のCDが付属
収録されている吹き込み音声の発話速度は、約110語/分です。アメリカ口語教本はシリーズを通して、ゆっくりとした音声を収録しています。
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William L. Clark『アメリカ口語教本 初級用』付属CD(1枚組) |
他の語学教材に付属しているCDの速度は140語~160語/分(ナチュラルスピード)なので、比較するとかなりゆっくりに感じられるでしょう。リスニングの練習用というよりも、CDの発音を真似して自分でも発声する(リピーティング、シャドーイング)ことを重視しているようです。
まとめ
- 学習の流れがわかりやすいので進めやすい英会話本。
- 文化的要素を含んだ英文なので英語だけでなくアメリカの文化も学ぶことができる。
- 間違って覚えている英語フレーズの使い方を見直せる。