『英語で読むローマの休日』は、不朽の名作映画「ローマの休日」を、英文と日本語対訳で楽しめる本です。世界の名作をコンパクトにまとめた「IBC対訳ライブラリー」シリーズの一冊です。
名作ラブストーリーを英語と日本語で味わう
1953年に公開され、今なお世界中の多くの人に愛される映画「ローマの休日」。オードリー・ヘップバーンの輝くような美しさと、グレゴリー・ペックの大人の雰囲気が素敵なラブストーリーです。
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イアン・マクレラン・ハンター『英語で読むローマの休日』 |
本書は、映画のストーリーを英文と日本語訳とで味わうことができるほか、映画の舞台・ローマの見どころスポットの紹介や、映画に関わるコラムなどもあわせて読むことができます。
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イアン・マクレラン・ハンター『英語で読むローマの休日』 |
物語のポイント
オードリーが演じるアン王女は、公務に追われ窮屈な毎日に嫌気がさし、外遊先のローマで密かに街へと脱け出します。そこで出会ったアメリカの新聞記者ジョーとローマを駆け巡り、つかの間の自由を楽しむのですが、やがて二人は互いに強く惹かれあっていきます。
本文に描かれるアン王女のセリフが、この物語のひとつのポイントです。初めのうち、「You may sit down.(お座りになって)」のように堅苦しい言葉づかいだったものが、ジョーとの親密さが増すにつれ、打ち解けたものに変わっていきます。はかない恋で終わる二人の関係ですが、その出会いを通して、王女は女性として成長し、最後に凛とした姿を見せます。それゆえに、物語の終盤で王女が語るセリフのひと言ひと言が、強く心に響くのでしょう。
映画を見た人なら、読みながらシーンが目に浮かぶ
この本の物語は4つのパートに分けられており、パートごとに語彙や文法事項の解説ページ「覚えておきたい英語表現」がついています。解説は文教大学准教授の田畑則重氏で、映画のシーンにも触れつつ、さらにいくつか例文も用いてわかりやすく説明されています。
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イアン・マクレラン・ハンター『英語で読むローマの休日』 |
文中には「Your Royal Highness(王女殿下)」や、「Countess(伯爵夫人)」のような見慣れない単語も出てきます。ですが全体的に平易な英文なので、英検3級~準2級またはTOEIC400点以上の力があれば、ページ欄外の語句注釈を頼りにじゅうぶん読み進められます。とくに映画を見た人なら、苦労することなく各シーンが目に浮かんでくるでしょう。読み終えると、またあらためて映画を見返したくなる、そんな本です。
長文リスニングの入門に適した吹き込みMP3が付属
IBC対訳ライブラリー共通ですが、CDにはMP3ファイルが格納されています。通常のCDプレーヤーではなく、パソコンでファイルを取り出して、MP3プレーヤーやスマホに転送して利用します。
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イアン・マクレラン・ハンター『英語で読むローマの休日』付属CD(1枚組) |
音声の発話速度は140語/分程度で、語学書としては標準的です。ナレーターは会話文以外は女性が務めています。ハッキリとした発音で、学習用として理想的な朗読となっています。
全体的に語彙が平易なので、長文リスニングの初心者の方は、このCDから始めると良いでしょう。中級~上級者の場合はシャドーイングを行うなどして、アウトプットで使える表現を増やしていきましょう。
まとめ
- 名作映画「ローマの休日」の対訳教材です。
- 映画に関する背景知識やコラムも充実しており、読んで楽しい内容です。
- 英検3級~準2級、TOEICなら400点以上が目安です。