『ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる』は英会話教材ですが、かなりユニークな構成になっています。劇場版機動戦士ガンダムのシーンやキャラクターを使って英会話表現が身に付くようになっています。
初期ガンダムの名セリフから英語を学べる
収録されているのは、いわゆるファーストガンダム、アムロ・レイが主人公のエピソード部分です。
『ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる』は5章構成になっており、英会話を学ぶセクションは各シーンのセリフから英会話表現を学ぶ第1章や、飛行機内、観光地、レストラン内などのシチュエーション別英会話の学習にガンダムキャラが登場する第2章が中心となっています。
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ガンダムで英語を身につける本 P16-P17 |
他にも劇中の名セリフを英語で収録している第5章は、ガンダムファンならつい引き込まれてしまう名言が多く収録されています。
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キャラ別に口語の感情表現を学べる
『ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる』の英文のレベルはそこまで高くはありません。英検やTOEICの勉強をこれから始める方でもほとんど問題なくついていけます。収録語彙自体も多くはないので負担も少ないです。
ただ、TOEICレベル700~900台の中上級者でも、アニメーションを題材にしていてレベルが高くないからと無視できない部分があります。
それは本書の第3章、感情表現の部分です。
この部分では、主要キャラクターの性格に合わせた表現が収録されています。例えば内向的・繊細な主人公、アムロ・レイでは「いじけ、ひねくれ、あきらめの表現」、プライドの高い敵役のシャア・アズナブルでは「キザな言い回し」等です。
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ガンダムで英語を身につける本 P74-P75 |
これらの表現は、上級者になるほど盲点になりやすい部分です。というのも、TOEIC等のハイスコアを目指して勉強していると、どうしても教材がより難易度の高いテーマを扱った経済紙や英字新聞になりがちです。そのような教材では「自分の感情を表す言葉」はあまり出てこないためです。
しかし、日本語を話す際にも同じですが、実際に会話をすると感情を表現する機会は多いものです。スムーズに感情を表現できないと、自分の考えが伝わらないことにも多く経験します。
「読む・書く」だけではなく、日常的に「話す」ことも必要な学習者はレベルに関係なく読む意味があります。
英語圏の習慣等、意外な盲点の解説もあり
『ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる』の各章末には「シャア先生の使える英語教室」として、英語圏の習慣や敬語表現等の意外な盲点が解説されています。英語にもある敬語表現の一例や、英語自体の学習とは関係ありませんがチップの渡し方と相場等です。
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ガンダムで英語を身につける本 P72 |
アメリカ等ではホテルマン等にサービスをしてもらったらチップを渡すことがほぼ常識になっています。通常の英語学習書ではあまり解説されていない部分ですが、習慣の違い等も息抜き代わりに理解できる構成になっています。
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旅行だけだから簡単な英語でいいという人にもおすすめ
先にも述べましたが、『ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる』の英文・語彙レベルはさほど高くありません。その分学習負担も軽いものになっています。気軽に読みやすい内容になっているため、ガンダムファンでなくても旅先での簡単な会話を短期に身に付けたい人も使える本となっています。
まとめ
- 初期ガンダムを題材にした英会話教材。
- ガンダムファンならつい引き込まれる構成。
- 英文・語彙の難易度は低く初学者から使える。
- 中上級者でも意外と穴になりがちな盲点も収録。