英語学習法

【レビュー】ゼロからスタート ディクテーション:音声の書き取り練習を行うことでリスニング力を飛躍的に伸ばせるトレーニング本

ディクテーションの基礎基本を毎日少しずつ学習できる入門教材です。

ゼロからスタートディクテーション

効果はバツグン!ディクテーションを学習に取り入れてみませんか?

ディクテーション(口述筆記)とは、流れてくる英語音声を書き取ることによって、英語力を多角的かつ効率的に高める勉強方法です。最近は頻繁に取り上げられるようになり、興味を持ち始めた方もいるのではないでしょうか。

本書はそんな「ディクテーション、始めてみようかなあ…」と考えている人に検討してもらいたい一冊です。量よりも質と継続を重視したスタイルで、発音の学習に力をいれている教材です。

何をどのようにやればいいか、実ははっきりと教えてくれない教師や教材が多いですが、TOEIC満点の著者(宮野 智靖氏)のメソッドにしたがって毎日継続してディクテーション学習をしていけば、必ずや飛躍的に英語力はアップするでしょう。

見開き構成で毎日少しずつディクテーション!

総ページ数は193ページで、書き込んで取り組むにはちょうど良い厚さの問題集といえます。4章構成のうち、全部で30単元と修了模試がついています。一日1単元やれば一カ月で終わる計算ですね。

30の単元にそれぞれまとめてあるポイントを押さえながらディクテーションや英語発音の基本を学ぶことができます。

全30単元と修了模試がついている問題集
ゼロからスタートディクテーション_01 ゼロからスタートディクテーション_02
宮野 智靖『ゼロからスタート ディクテーション』

私が読んでほしい部分は「はじめに」と章前にまとめてあるディクテーションの練習方法のまとめページです。「はじめに」ではディクテーションの意義や効果について著書が力説しています。本当にそのとおりですし、この「はじめに」はシンプルながら勉強のモチベーションに繋がるすばらしい文章です。

ディクテーション練習法のまとめ
ゼロからスタートディクテーション_03 ゼロからスタートディクテーション_04
宮野 智靖『ゼロからスタート ディクテーション』

章前のディクテーションの取り組み方解説のページも初心者でもわかりやすい丁寧な仕様になっていました。この解説ページはディクテーション経験の有無に関わらず必ず読んだ方がいいです!

ページの構成は基本的に「見開きの問題⇒見開きでその解答解説」という流れです。第1章の基本音声ドリルには問題に入る前に見開きで、その単元で取り扱う発音のポイントが分かりやすくまとめてありました。見開き、というキリの良い単位なので勉強を進めやすいですね。

問題に入る前に発音のポイントを分かりやすくまとめている
ゼロからスタートディクテーション_05 ゼロからスタートディクテーション_06
宮野 智靖『ゼロからスタート ディクテーション』

後半になるほど書き取る量や流れる音声の量が増えていくしくみです。

後半になるほど書き取り量が増えていく
ゼロからスタートディクテーション_07 ゼロからスタートディクテーション_08
宮野 智靖『ゼロからスタート ディクテーション』

最終章は今まで学習してきたことの力試しとして修了模試がついています。点数によって著者から今後の勉強についてのアドバイスがもらえるので次のステップに正しく進めますね。

最終章としてリスニング&ディクテーション修了模試を添付
ゼロからスタートディクテーション_09 ゼロからスタートディクテーション_10
宮野 智靖『ゼロからスタート ディクテーション』

ディクテーションを続けてやってみたい、と思う気持ちさえあれば!

ディクテーションは英語力アップに効果が高い方法ですが、習慣づけるのが難しい方法でもあります。この本は、ディクテーションに挑戦したことがない方はもちろん、一度やってみたけれども続かなかった方にもぜひ使って欲しいです。

一回分の量は軽くたしかに10分程度で終わりそうですが、毎回内容がポイントを押さえているので「ただなんとなく書き取る」よりも確実に英語力をつけることが可能です。

ディクテーションによってTOEIC等のスコアや資格の有無に関わらず、習慣にしておくことで日々英語へのアンテナを張り巡らすことができます。「俺は英語できるからいいや」と思わないで、英語を学習する方は一度本書を手にとってみるべきでしょう。
(意外とできてないこと多かったりして…)

まとめ

  • 毎日少しずつ進めていく、書き込み式タイプのディクテーション入門教材です。
  • 教材に取り組む前に、章前のディクテーションについての解説ページを読むことを強くおすすめします。
  • 発音の基礎基本から始まって、次第に長めのディクテーションに挑戦する仕組みです。
●編集長からひとこと
ディクテーションは、主に文字と発音の対応関係を明確にすることでリスニング力をアップさせるトレーニング方法ですが、文法や読解、語彙力向上にも効果があるとされています。英語講師や通訳・翻訳者などのプロでも愛用していることが多く、その効果は折り紙付きです。音読と併用すれば、リスニング力を中心として総合的に英語力を向上させることが可能です。ぜひ、チャレンジしてみてください!
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
諏訪部麻里子

諏訪部麻里子

国立大学医学部在学中(※記事執筆当時)。大学入試でセンター試験、二次試験をほぼ満点で通過した異次元級の英語力を持つ。医学の勉強のかたわら、さらなる高みを目指して英語の研鑽を積んでいる医学系女子。 詳しいプロフィール / 記事一覧

おすすめ記事

1

外国語を習得しようと考えたとき、それについて直に師事できる人が居れば幸運です。しかし、必ずしもそのような人が身近に居るとは限りませんので、その場合は自分自身で勉強し習得していく必要があります。 そのと ...

2

英語をマスターしたいですか? 外出先で時間があると、私はよく書店で語学書のコーナーに足を運びます。そこには「英語学習は○○だけでOK」とか「ラクして英会話をマスター」などの魅力的なキャッチコピーつきの ...

3

私は出張があるとはいえ基本的には日本国内で英語を使いながら働いています。 英語レベルとしては、 ・日常会話はお酒が入っていても(笑)大丈夫 ・ビジネス会話は9割聴き取ることができ、交渉や会議の場で自分 ...

4

いつも読んでくださってありがとうございます。私の勉強についてですが、いわゆる「何もしなくても毎回9割5分5厘超!」みたいな天才型では全くありませんし、かといって逆に「誰よりも血と汗にまみれた努力を惜し ...

5

何年にどこにいて、何の仕事をしていたか記憶が定かでないほどふわりふわりと生きてきたのありです。TOEICスコアシートをもとに、930点を達成するまでの学習変遷を振り返ります。 TOEIC形式になじむこ ...

-英語学習法

© 2023 まねっこ倶楽部 Powered by AFFINGER5