中学校1、2年の教科書教材を使用した英語音読用の教材です。著者は、同時通訳者として名高い國弘正雄氏(故人)です。
誰でも取り組みやすい、やさしい音読教材がここに!
英語を学習しようにも、世間には大量の参考書や問題集であふれかっていて、正直どれから始めればよいか分からない!というのが本音でしょう。なおさら、もう一度英語を学習したい、英語は苦手なんだけど頑張りたい!という英語初学者にとってはどの教材が自分に合っているのか分からなくて、教材選びで挫折してしまうこともあります。
『英会話・ぜったい・音読 入門編』は、英語初学者でも取り組みやすい「音読」スタイルの教材です。題材も中学1~2年の教科書で構成されていて、初学者にとってちょうどよいレベル・文量になっています。
「音読」は一見単純に見えますが、その効果は大きく英語上級者の多くが学習に取り入れている英語上達法です。「基本的な文の音読」、まさに英語学習の王道に立ち返った教材といえます。
途中での投げ出しを防ぐ、説明が手厚い貴重な教材
141ページ構成で比較的薄めの教材です。実践パートの章は12レッスンで巻末に勉強の記録がつけられるようになっています。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』 |
他の教材と大きく異なる点としては、音読学習の意義や学習をいかにして継続して行うか等の勉強のコツがかなりのページを割いて掲載されている点です。これだけ丁寧に説明してある教材はめったにないので貴重な教材といえます。学習を始める前にぜひ一回は目を通してほしいです。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』 |
この教材は3カ月繰り返して使用するように設計されています。基礎、応用、発展のトレーニングプログラムを通して、「読んでわかるレベルの英文」を使えるレベルに高めよう、というメソッドです。これは実は中学で教わる英語の復習方法によく似ているのですが、やはり基本的なことの繰り返しの重要性が身にしみます。
実戦ページはシンプルで完全な日本語訳はありませんが、文の下の注釈を参考にすれば日本語の意味は把握できるでしょう。内容は中学1~2年の教科書の文章です。単元が進むごとにその単元が扱う語数は増えていきます。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』 |
また、随所にコラムがあり、学習の際に参考になることがまとまっています。
※和訳が無い理由もここで述べられていました。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』 |
巻末の学習記録を付けられるページは見開きで使いやすく、「今やるべきメニュー」のリストが逐一掲載してあるので、学習者にとって優しい設計です。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』 |
リスニング入門者向けのCDが付属
初学者向けのテキストなので、収録音声の速度は遅めです。計測したところ、約100語~120語/分でした。英文もとても平易で、リスニング入門者に向いています。
中学英語レベルのテキストを使って音読とリスニングを反復練習するだけでも、初歩的な英会話はマスターできますので、面倒くさがらずに必ずCDを使ってリスニング練習をしましょう。中級者以上の方は、シャドーイング素材として活用してみるのも面白いかもしれませんね。
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國弘 正雄『英会話・ぜったい・音読 入門編』付属CD(1枚組) |
もう一度英語を頑張りたい人はぜひ!シニア学習者にもおすすめです。
『英会話・ぜったい・音読 入門編』は、英語をもう一度学び直したい!という再学習者におすすめです。音読、という続けやすい学習法も再学習者にとっては取り組みやすいです。
内容自体は中学校1~2年の教科書なので、日常生活に沿った内容がほとんどです。馴染みのある題材を通してもう一度英語を好きになってほしいです。字も大き目なのでシニアの方にもおすすめできます。
中学生以上のお子様・お孫さんがいらっしゃるなら、一緒に使うこともできますね。
勉強をしやすいように学習の記録帳がついていますから、真面目にコツコツ勉強できる人にはより向いている教材ともいえるでしょう。コンパクトサイズなので、どの部屋にも置いておくことができますし、外出にも持っていけそうです。生活の一部に「英文音読」を組み込んで、英語力アップを目指しましょう。
まとめ
- 中学1~2年の教科書の文章を使った音読教材です。
- 音読の意義、重要性が一冊を通してよく分かる構成になっています。
- 学習者のことを考えた学習記録帳が特徴的です。