タイトルの通り、耳で聞いてイギリス英語を理解するための本です。主な学習内容は付属のCDと合わせてのリスニングになりますが、CDの内容を書き下ろしたスクリプトが収録されているため、様々なやり方での勉強が可能です。
イギリス英語とは?
一般に義務教育で習う場合の英語は、いわゆるアメリカ英語、標準的な英語を基底としている面が強いことはよく言われています。しかし実際には、日本語にも大阪弁や京都弁、ニュースキャスターの使う日本語や仲間内でのみ使う砕けた日本語などがあるように、英語にも多くのバリエーションがあるのです。
イギリス英語とはそのバリエーションのうちの一つで、語彙や文法、発音が(少なくともこれまで習ってきた)標準的な英語とは異なる場合も多く、戸惑う人が多いようです。
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小川 直樹『イギリス英語を聞く THE RED BOOK』 |
その主な理由としては、発音のされ方やアクセントの違いがあり、習ってきた英語のように聞こえない、全く別の言語のように聞こえてしまう、という面があります。本書ではその部分を克服するため、生のイギリス英語を収録したCDを用いて耳から慣れさせる学習を勧めています。
トピックはロンドンに関係するものが大部分を占める
『イギリス英語を聞く THE RED BOOK』で扱われているトピックは、いずれもイギリスのロンドンに関係するものばかりです。トピックについてインタビュアーが質問し、それについてイギリス英語で回答されているというスタイルになっていて、あらかじめ用意された文章を読むのとはまた異なる、ライブ感のある音声になっています。
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小川 直樹『イギリス英語を聞く THE RED BOOK』 |
リスニングの勉強をしながらイギリスの文化や歴史についても学ぶことができるため、これからイギリスに旅行に行くなどという場合には、うってつけの準備と言えるでしょう。ただ読んだり聞いたりするだけではなく、エクササイズとしてしっかりと音を聞き取れたかどうかを確認する問題も収録されており、自分の学習到達度を客観的に評価することもできます。
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小川 直樹『イギリス英語を聞く THE RED BOOK』 |
ロンドンの街中で録音した生英語の音声CDが付属
付属CDは通常の学習書とは異なり、街中で録音した背景音が混じっている「綺麗ではない」音声です。話し手の言い直し等も普通にあるため、他の学習書CDの綺麗な音声しか聞いたことがない学習者だと、生英語特有の聞き取りにくさを感じるかもしれません。
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小川 直樹『イギリス英語を聞く THE RED BOOK』付属CD(1枚組) |
英語表現としては、話し手が知識階級や年配のイギリス人ということもあって、スラングが少なく理解しやすいものになっています。ただし語彙レベルは比較的高い英文なため、TOEICなら最低でも800点は得点できる中上級者でなければ、聴き取りにはかなり難儀するのではないでしょうか。
特にイギリス英語に興味がなくても、生英語の聞き取りに興味がある学習者にとっても大変良いリスニング素材でお勧めできます。
その他の学習方法とイギリス英語以外の英語も有り
単にリスニングするだけでなく、付属CDとスクリプトを使ってシャドーイングしたりディクテーションを行ったりすればさらに学習効率は上がります。イギリス英語とアメリカ英語の両方に対応できるようになれば、ヨーロッパ圏の広い地域の第二言語としての英語もある程度推測しやすくなるでしょう。
自分自身でイギリス英語を話す必要はありませんが、より広く世界を見て相手のことを理解したいと思うなら、イギリス英語の学習は必須になってきます。
まとめ
- イギリス英語について耳で学習できるリスニング練習本。
- CDとスクリプトを使ってシャドーイング、ディクテーションを行うと効果的。
- イギリスの文化や歴史について学べるため、観光前にチェックするのも良い。