アルク社は英語学習上の目安として利用できる「標準語彙水準 SVL12000」(※日本人の英語学習者にとって有用であると思われる英単語1万2000語のリスト)を設けています。
『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』は、その「SVL12000」のうちレベル1~9にあたる9000語の範囲内の英単語によって成り立ったリスニング教材です。
ストーリーを追いながらシチュエーションごとの場数を踏む
登場人物が、さまざまな人々とのやりとりを通して仕事を進めていくストーリー仕立てになっているのが『究極のビジネス英語』シリーズの特徴です。本書の主な登場人物は5人で、それぞれアメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアといったバラエティーに富んだアクセントで話します。
![]() |
![]() |
アルク『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』 |
上司との応答やプレゼンテーション、海外出張など、40のシーンを通して登場人物がどのように変容していくかを追いながら、実際のビジネス現場ですぐに使える英単語を覚えられます。
多様なアクセントに触れることができる会話文
シリーズの3巻目にあたり、中国やインド、カタール、タイといった英語を母語としない人々の英語が扱われています。格好つけずに伝えたいことを伝えることの大切さが実感できます。
![]() |
![]() |
アルク『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』 |
「ビジネス英語」と言うと身構えがちですが、つまりは詩的な表現や婉曲的な物言いが好まれる場ではありません。言いたいことをはっきり伝える心意気があれば、世界中の人とやりとりができます。
レベルに即した学習が可能
付属のリスニングCDを提唱されている3つのMODEに従って学習すれば、リスニング力は必ず向上します。
![]() |
アルク『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』付属CD(1枚組) |
MODE1は、何も見ない状態での聞き取りです。各シーンに簡単な確認テストがあるので、答えられれば卒業です。MODE2は、「語彙ヒント」を見て、あらかじめ分からない語句を確認してから聞き取ります。
![]() |
![]() |
アルク『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』 |
MODE2で聞き取りにあやふやな点がある場合は、MODE3に切り替えます。日本語訳を見て、内容を理解してから再び英語の音声に挑戦します。
シーンによって聞き取りづらかったり、覚えにくい英単語があったりするかもしれません。しかし何度も繰り返し聞けば、必ずわかる瞬間がきます。諦めずに取り組みましょう。並行してシャドーイングなどの発声トレーニングを行えば、リスニング&会話力がどんどん高まります。
帯に「TOEICテスト対策を超える」とあるように、テスト対策にとどまらない実用的な英語力を身につけたい方におすすめです。とは言えTOEIC対策としても十分に役立つ教材です。
対象レベルは英検準1級、TOEICテスト730点程度となっていますが、この『究極のビジネス英語リスニング Vol.3』のCDを十分に聴きとれるようになれば、TOEIC レベルA(860)に到達するのも夢ではないでしょう。
まとめ
- ドラマ仕立てのストーリーなので楽しみながら学習できます。
- いろいろなアクセントに触れることができ、実際のビジネスシーンに則しています。
- 3つのMODEが設定されており、ご自身のレベルに応じた学習が可能です。
SVLの9000語レベルのリスニング本です。ボキャビル本ではないので、難単語ばかりの英文ではありませんが、リスニング用としてはかなり難しい部類ですね。ただ、NHK出版の『実践ビジネス英語』と比べると、若干易しいかもしれません。会話文ばかりなので、ビジネス英会話のトレーニングもできる良書です。