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【レビュー】一橋大の英語 15ヵ年:新聞記事や論文の論旨を正確に読む読解力を要求される一橋大学の入試過去問集

国立最難関大学の一つ「一橋大学」の入試過去問集(赤本)です。

一橋大の英語

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一橋大学の英語入試問題の構成

一橋大学の英語入試問題は、概ね以下のような出題構成になっています。

大問1. 読解問題(700~800語程度)
大問2. 読解問題(500~600語程度)
大問3. 英作文
大問4. リスニング

この構成が基本で、年度によっては文法・語法問題が独立した大問として1問追加で出題されます。

※以下の記事では大問番号は省略します。例えば大問1.→1.のように記載します。

英語入試問題の特徴

難関大学はどの大学も読解力が重視されるのが一般的ですが、その中でも一橋大学の英語は、「新聞記事や論文の論旨を正確に読む読解力」が重視されると言えます。

出題される読解問題は論説文・エッセイが中心で、そのテーマも道徳や政治・経済などのいわゆる硬いテーマから、頭の固い人に対する風刺的なテーマまで幅の広いものになっています。

平均的な語彙のレベルだけを見ると東大よりも高く、早稲田・慶応・上智のような難関私大レベルにない難しい語彙が出てくることもあります。

かなり少ない文字数を指定された内容説明問題があるため、文章の意味を正確につかんでおかなければほとんど解答が不可能と思われる出題も多いため、読解問題で差がついてしまうこともあるでしょう。

英作文問題は簡潔なテーマを与えられて、それに100~150語程度の英文で答えるという出題形式です。

テーマは政治・科学・文化をはじめ、過去に行けるとしたらどの時代に行きたいか(平成24年後期)、最も行きたい場所(平成19年後期)といったテーマまで含まれています。

平成28年前期試験の問題では東大のような図を説明させる形式の問題も出題されます。

英語入試問題に対応するための考え方

確報ではありませんが、一橋大学の英語は東京大学の英語に比べて受験生間でもやや差がつきやすい出題傾向となっています。

説明問題が多いこと、読解問題・英作文の問題のテーマが多岐にわたるだけでなく、英作文ではそのテーマについて多少は知っていないとその場で対応することが難しいものも出題される場合があることがその理由になります。

一橋大英語の年度別の論題とキーワード
一橋大の英語_01 一橋大の英語_02
教学社『一橋大の英語 15ヵ年』

英語自体の勉強をしているだけでは対応しきれない部分があると言えます。英語の勉強をするのは当然ですが、それに加えて時事的な問題・社会的な問題について広く考えることをしておく必要がある試験問題です。

とはいえ、時間のない大学受験生が時事問題や社会問題をフォローするといってもしきれない面もあるでしょう。

そのため、英語の長文読解練習や国語の現代文の問題練習を通じて幅広いテーマの文章に触れておくと同時に、興味を持った問題やその年に社会的に大きく取り上げられた問題に関しては新聞やインターネットなどを一読しておく程度で十分です。

自由英作文で一見とてもわからないようなテーマが出されたとしても、基本的に聞かれていることはテーマについてどれだけ知っているか、ということではありません。英語で意見を論理的に述べられるかということが聞かれています。

たとえば、平成24年後期試験では明らかに前年の東日本大震災を意識した「自然災害に備えてあなたとあなたの家族はどのような準備をしているか」ということが聞かれました。

この問題については震災のニュースをみて、自分がどのように考えたかということを論理的に、筋道立てて書いていけば十分でしょう。

普段から興味のあることについて知り、考えるクセがついている人であればどんなテーマが出てもある程度のことは書けるでしょう。

逆にこのようなクセがついていない人は自由英作文で知らないテーマが出ると大失敗してしまうリスクもはらんでいます。

英語自体に関しては、論説文の出題割合が多いこと、語彙レベルも東大に比較して高いことを考え合わせると、Z会『速読英単語・必修編』と『速読英熟語』だけでは少々不安です。

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偏差値はあまりあてになりません。上記のような自由英作文で大失敗してしまう受験生も多く、偏差値75取っていても本番では不合格となってしまう人が多い出題形式です。

ただし、一橋大を受ける場合の英語レベルとしては最終的な推奨偏差値は東大と同じく英語で65~75以上、センター試験問題で言えば最低でも175点、できれば190点は当たり前に取れるレベルが目標となります。

読解問題対策

読解問題は700~800語程度のやや長い英文を題材とした大問が1つ、500~600語程度の英文を題材とした大問が1つの計2問で安定しています。

700~800語の長文読解問題
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教学社『一橋大の英語 15ヵ年』

1つの大問にかけられる時間は比較的多く、じっくり読んでいけば対応可能です。語彙レベルは比較的高い場合もあり、単語自体の注釈はほとんどついていないですから、音読を通じて語彙力・わからない単語の意味を推測する力はつけておきましょう。

読解問題の中で英文和訳をきかれることもありますが、これも前後の文脈をしっかりつかんでおけば解答できるように作られています。

ソーシャルメディアがテーマになる問題(平成24年)もありますが、そのテーマが全く分からないであろう受験生が含まれると考えられるような場合に限っては語注がついていますから、読解問題に関しては事前テーマが分からないから答えられない、などということは全くありません。オーソドックスな勉強方法をとり、じっくり取り組めば解ける問題ばかりです。

『速読英単語』シリーズの音読をし、読解問題集をこなし、過去問をやっておけば十分な試験形式と言えます。文法・語法が読解問題の中で聞かれることもありますが、総じて細かい知識やひっかけが聞かれることはあまりありません。

二次試験向けの文法・語法問題集を1冊仕上げておけば十分だと考えられます。

英作文問題対策

一橋大英語で合否を分けるのは英作文と考えられます。近年は東大と同じように図を説明させる英作文問題も出題されていますが、基本的に3~4のテーマから1つを選んで100~150語程度で述べさせる問題です。

英作文問題では、提示されたテーマから1つ選んで100~150語程度で論述する
一橋大の英語_05
教学社『一橋大の英語 15ヵ年』

ただ、勘違いしないでいただきたいのは、ここで聞かれているのは「そのテーマについてどれだけ知っているか」ということではないということです。

「そのテーマを題材として、どの程度論理的に自分の考えを述べることができるのか」ということが聞かれています。

文法・語法の誤りがあるのは当然減点ですから、できるだけ基本的な構文や文法を組み合わせて、簡潔に自分の考えをまとめることをしておきましょう。

良い訓練方法は、たとえば新聞の社説やYahoo!ニュースなどを見て、その記事について自分が思ったこと・考えたことを英語で書いてみることです。採点してくれる人はいませんから、文法的な誤りをなくそうと思えばできるだけ難しい構文を使わずに書かざるを得ないでしょう。

時間をおいて自分でその英文を読み返してみて、分かりやすいかどうかチェックしてみるということを繰り返してみましょう。時事的なテーマに広く触れることにもなり、一石二鳥です。

社会人が一橋大英語に取り組む意味

一橋大の読解問題のテーマは、Z会『速読速聴・英単語 Core 1900』で扱われているものと類似しており、かつ一つの英文の長さは『Business 1200』『Advanced 1100』程度です。

そのため、単語はある程度勉強したけれど読解力に不安のある社会人には次のステップとして最適のテーマです。自由英作文に関しては社会人であれば就職活動や転職活動できかれるようなテーマも入っていますから、対応力を磨くという意味でランダムに取り組む価値はあるでしょう。

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さかえ

さかえ

上智大学法学部国際関係法学科卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。『TIME』『Newsweek』は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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