一般的な前置詞や副詞について、文章ではなくイメージで理解することを目的とした本です。
前置詞や副詞は文脈によって様々な意味合いに解釈されるため、その根源となるイメージを押さえておくことは非常に有用と言えます。『DUO Elements 前置詞/副詞』は、その導入になる本と言えそうです。
大まかなイメージで理解し、実際の表現で確認
テーマとなる前置詞や副詞について大まかなイメージを理解した後、それが実際にどのように使われるかを確認することで、イメージと実際の用法が一致していることを確認する、というプロセスを通じて学習していきます。
これにより、大まかなイメージを確かなイメージに固めながら、言葉による理解でないために応用が利きやすい状態に保つことができます。
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鈴木 陽一『DUO Elements 前置詞/副詞』 |
一方、文字による解説ではなくイメージ図による解説なので、それがピンとこないと何の説明にもなっていないように感じるかもしれません。
この辺りは学習者の感覚によるところが大きいので、「自分は言葉による説明の方が納得できると思う」と感じるのであれば、『DUO Elements 前置詞/副詞』は向かないかもしれません。
おおよそのイメージは合っているものの、一部不十分なところも
基本的な前置詞や副詞に限定して解説しているため、解説自体もあまり込み入ったものにはなっていません。
また、「ネイティブはこのように考えている」というような切り口での解説になっていますが、必ずしも全てのネイティブがそのように考えているわけではありません。
そのほか、例えばofには「別離」の意味がありますがそれが解説されていない(、『DUO Elements 前置詞/副詞』の説明だけでは、steal A of BでBからAを盗むという意味になる説明がつかない)など、一部意味の取りこぼしもあります。
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鈴木 陽一『DUO Elements 前置詞/副詞』 |
それでも、おおざっぱに見ても80%程度は意味を網羅できていると考えられるため、やはり前置詞や副詞を見直すための入門書としては優秀な本であると言えるでしょう。
文章が少ないので読みやすい
イメージで理解することを目的としているため、文章による解説が非常に少なく、それゆえにページをめくるスピードも速くなります。
そのため、短期間で前置詞や副詞の意味をおさらいするのには最適の本と言えるでしょう。例えば久々に英語を学ぶ人や、これから英語を本格的に勉強しようと考えている受験生などにもおすすめです。
まとめ
- イメージで前置詞や副詞を理解することを目的とした本。
- 文章による解説は少ないため、イメージでの理解が苦手だと向かない面もある。
- 全ての前置詞・副詞を網羅しているわけではないため、過信には注意。