映画『ビリギャル』の原作としておなじみ、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』です。塾講師の著者によるノンフィクションで、勉強法に関してもさまざまなヒントが詰まっています。
『ビリギャル』とは
2015年に公開された映画『ビリギャル』。有村架純さん主演で大変話題になりましたので、ご存じの方も多いでしょう。原作は塾講師の坪田信貴氏の手によるノンフィクションです。
学年でビリの成績だった女子高生が、超難関大学である慶應大に合格する、というサクセスストーリーですが、子育て哲学や、塾講師の指導ノウハウについても読めて盛りだくさん。もちろん、受験生が勉強法の参考にするにも役立ちます。今回は、英語学習の観点からこの本をレビューしてみたいと思います。
英語学習でも基礎を固める大切さがわかる
主人公“さやかちゃん”のスタート時の学力については言わずもがな、ですが、そのレベルからどうやって成績をあげたのでしょうか。それはやはり、「基礎を固める」ということに尽きます。
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坪田 信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』 |
当初「アルファベットが何とかわかる」レベルから始めたさやかちゃん。辞書で分からない単語を調べても、その日本語の意味がわからず国語の辞書も引く…そんなエピソードに笑うやらあきれるやら…。けれど彼女はそこでへこたれず、「単語」と「文法」を基礎からきっちり固めていきました。
坪田先生の助けのもと、ゲーム感覚で英単語を鍛え、中学英語の総復習用問題集を11日間で終えるという頑張りをみせます。この基礎学習が、その後の伸びを支えたに違いありません。
実践的な学習のヒントが豊富
著者・坪田先生は「まず最低限の文法用語(「名詞」「動詞」「主語」など)の定義を丸暗記する」ことを提唱しています。これは本当に大切なことです。
なぜなら、学校の先生も参考書も、文法用語を使って説明をすすめるからです。それらの意味がわからなければ、いくら説明を聞いてもお手上げになってしまいますよね。文法用語、何となくわかった気になっている人も多いはず。学習効率をあげるために、いま一度確認しておくことをおすすめします。
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坪田 信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』 |
また、長文読解向けの実践的なテクニックも紹介されています。段落の切れ目に線を引いて読みやすくする。あるいは主語と動詞の対応を見つけてマークする。前置詞と名詞はカッコでくくるなど、“使える”技がたくさんあります。英単語の効果的な覚え方や、英和辞書の使い方のヒントも本の中で紹介されています。
英語に限らず、塾の先生ならではの細やかなアドバイスが満載ですから、「これなら自分にもできそう」「使えそう」と思えるアイディアがきっと見つかるはずです。夢に向かって努力するさやかちゃんを、坪田先生が情熱を持って支える様子を味わいながら、学習法のヒントも取り入れてみてください。
まとめ
- 2015年に映画にもなったベストセラー作品。
- ポジティブ思考と、基礎を固めることの大切さがわかります。
- 実践的な学習のヒントがたくさん見つかります。