高校生以上の学生、教師、そして社会人を対象として、英語で発信できるようになるために必要なものだけを厳選してまとめられた文法書です。
発信的な目的で作られた参考書
英語で書いたり話したりできないことの理由は、従来の英語学習がフレーズの単なる暗記に終わっているからです。
本書では、通常使わないような難しい文法の解説ではなく、基本的なことを英語で表現できるようになるために必要な文法を、厳選して解説してあります。英語のネイティブ感覚を身につけて話すことができるようになることを目的として、その後に英語で書くことができるようになることを目指しています。
共同著者のマーク・ピーターセン氏も冒頭で述べているように、日本の英語教育では文法に重点が置かれすぎていて、そこから生徒が英語を自分で発信できるようになることを教師が教えたり、生徒が訓練する機会があまりなかったりすると言われます。
![]() |
![]() |
綿貫陽、マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』 |
本書で本当に必要な文法を理解し、それを応用して自分の言いたいことが発信できる真の英語学習をするための参考書になっています。
日本語にも詳しい英文学者のマーク・ピーターセン氏と共著
日本語にも詳しい英文学者と日本人の著者が1日に何度もメールのやり取りをするなど緻密に話し合って本書が作り上げられました。英文を構築するために必要となる適切な文法の知識とネイティブの感覚のどちらも兼ね備えた内容に仕上がっています。
例文の日本語訳は従来の文法書によくあるような直訳ではなく、自然な日本語に訳されています。文化的な背景の解説もあるので英語や英語と日本語の違いをより深く理解できる材料になっています。
![]() |
![]() |
綿貫陽、マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』 |
Helpful Hintでは長年、日本人の書く英文を添削してきたマーク・ピーターセン氏が日本人の間違いやすい傾向を踏まえながら適切なアドバイスをしてくれています。一般的に間違いが多いものは自分でも間違える可能性が高いので良い参考になります。また、間違いを知ることで文法の理解がより正確になるという利点があります。
学習の効果的な進め方がわかりやすい
まずは文法の解説を読みながら青文字の例文を見ます。理解できないところがあっても次に読み進めていきます。わからなかったところはチェックしておいて後で読み返すようにすると学習が進むし、後で読むとその時にわからなかったところも理解できるようになっていることがあるのでおすすめです。
![]() |
![]() |
綿貫陽、マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』 |
例文は全て青文字で書かれています。たくさんの例文に触れることはネイティブの感覚を身につけるのにとても有効です。
章末には初心者向けの確認問題とTOEIC向けの実践問題があります。確認問題は大学の入試試験にもあるような形式で、ここで間違えたところは本文に戻って復習をしてから次に進むようにしましょう。実践問題では時事英語やビジネス英語などやや難しい語句が含まれていますが、TOEICにもよく出てくるので、この機会に覚えておきたいものばかりです。
![]() |
![]() |
綿貫陽、マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』 |
英文法書でありながら例文暗記用のCDが付属
別冊で付属している「英作文のための暗記用例文」の300例文を吹き込んだCDが付属しています。和文のあとに遅い英文、ナチュラルスピードの英文という順で収録されています。
![]() |
綿貫陽、マーク・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』付属CD(2枚組) |
ポーズは4秒程度で入っているので、英文の発声のあとで真似て発声する「リピーティング学習」で暗記できるようになっています。
まとめ
- 英語で発信できるようになるための英文法書です。
- 日本語に詳しい英文学者『マーク・ピーターセン』氏と共著している。
- 英文法書でありながら例文暗記用のCDが付属している。
マーク・ピーターセン氏は、日本人の英語の誤りを明快に解説した名著『日本人の英語』の著者です。本書に取り掛かる前に一読しておくことをお勧めします。