『英語構文詳解』は大学受験レベルの英語文法について、例題で知識を確認しながら学んで行くことができる本です。単に文法を解説しているのではなく、いわゆる「並び替え問題」がたくさん含まれていることで、能動的に文章を組み上げる練習にもなります。
並べ替え問題で英文の基本構造を理解できる
まずは問題で知識を確認、それから解説へ、という流れになっているため、全く英文法の知識が無い人向けではなく、高校レベルの英文法について一通り聞いたことがある、という人向けの本と言えます。
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伊藤 和夫『英語構文詳解』 |
問題は「並び替え問題(整序英作文)」となっており、さらに「余計な単語が含まれている」場合や「必要な単語が欠けている」場合もあって、「この文章を完成させるにはどういう解釈が必要になるのか」といったことを考える必要があります。こうして、英文法について能動的に理解していくことができるのです。
大学受験におおよそ必要なレベルを網羅している
『英語構文詳解』は、大学受験として基本的な文法事項から、大学受験やセンター試験では頻出の文法事項までしっかりと網羅されています。英文を理解するための基礎固めとしては充分な内容であると言えるでしょう。
例えばthat節とthat節の比較などといった、「長めの英文」を理解する上で重要な事柄についても言及しているため、「英文が長くなると苦手だ」という受験生には良い練習材料になります。
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伊藤 和夫『英語構文詳解』 |
もちろん、並び替え問題を通じて、大学受験における並び替え問題自体の練習をすることもできるでしょう。こうして文章を能動的に作ることを通じて、作文能力の土台となる考え方を養えます。
かなり高度な文法に足を踏み入れるところもある
所々、難関私立大学で必要となるようなレベルの文法の解説に足を踏み入れているところも見受けられます。そのため、『英語構文詳解』を通じて手応えがあれば、さらに上のレベルを目指してみるという使い方もできるのではないでしょうか。
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伊藤 和夫『英語構文詳解』 |
具体的には、高校生向きでは定番の『ネクステージ』や『フォレスト』で解説されている文法レベルより高いところまで解説している点が見受けられます。一方、非常に初歩的な文法については解説していない面もありますので、注意が必要です。
受験生だけでなく「ちゃんとした英語」を学びたい人へ
『英語構文詳解』は詳細に文法を解説していることから、口語で英語を話せるようになりたいという人には無用の長物となる可能性もあります。
しかし、「ちゃんとした英語を書きたい」だとか、「少し長くなると長文が読めなくなるのを何とかしたい」といったような人にとって、『英語構文詳解』はちょうど良いエクササイズになるでしょう。
まとめ
- 中級から上級レベルの英文法を網羅した本。
- 並び替え問題(整序英作文)で能動的に学習できる。
- さらなる上級英文法の入り口となる可能性もある。