これまで試験勉強や受験勉強として、あるいはひとまず単語力を高めるために単語帳を読むことを繰り返してきた人を対象とした、「ちょっとした単語の言い換え術」の本です。英単語帳という名前になっていますが、どちらかというとビジネス書に近い印象です。
ちょっとした言い換えで好印象を与える方法
もちろんこれでも通じはするが、もっと良い印象を与えるには……といったようなヒントが60単語について書かれています。「ビジネスパーソンの」と書かれていますが、普通の会話の中でも使える言い換えや表現が多く、活用できるシチュエーションは決して少なくありません。
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関谷 英里子『ビジネスパーソンの英単語帳』 |
ある表現がどういう印象を与えるか、それをどう言い換えるとどういった印象に変わるのかということが、(著者の主観が交じってはいますが)細かく解説されています。
英単語帳ではなくコミュニケーション術の本
タイトルから誤解されやすい可能性がありますが、英単語帳としての属性はあまり強くありません。解説されている単語についても、特に真新しい単語というわけではないでしょう。
そのため「ビジネスで使える単語を覚えたい!」というモチベーションで本書を手に取ると、情報が少ないように感じられるかもしれません。
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関谷 英里子『ビジネスパーソンの英単語帳』 |
しかし、すでにある程度単語を修めている人が「色々な単語を覚えたがどの表現が良いのか」と迷っているなら、本書はそのガイドとなるはずです。その単語にどのようなニュアンスがあるのかといったことも一緒に学ぶことができるため、その感覚を広く応用することもできるようになるでしょう。
これまで単語は覚えてきたがそのニュアンスは気にしたことがなかったという人には、特に参考となる部分が多く見られます。
絶対的な正解ではない点に注意
「こう言えば良い」というようなフレーズが多数収録されている一方、「この言い方はNG」というような書き方をされている面も多く見られます。しかし言語の運用というものは、あくまでその状況によって適切・不適切が判断されることに注意してください。
『ビジネスパーソンの英単語帳』で解説されているフレーズが唯一の正解というわけでも、常にこの言い方をすれば間違いない、ということでもありません。そのフレーズがどうして”良い”のかを理解し、状況に合わせて使うことが必要になるのです。
まとめ
- 単語帳というよりもビジネス書で、ある程度単語を知っている人向け。
- 比較的簡単な単語でより好印象を与えるためのヒントを学べる。
- 唯一の正解ということはないが、フレーズの言い換えやニュアンスについて学ぶ上で役立つ。