英語学習法

元・上智大生 さかえが教える『英語を専門としていない国内学習者が留学やスクールに通わずに高い英語力を身に付ける方法』

私は出張があるとはいえ基本的には日本国内で英語を使いながら働いています。

英語レベルとしては、
・日常会話はお酒が入っていても(笑)大丈夫
・ビジネス会話は9割聴き取ることができ、交渉や会議の場で自分の言いたいことも必要十分程度言える
・自分の専門分野は専門紙や学術論文まで読みこなし批評することも可能
・専門外の分野、特に理系の文章はちょっと難しいと英語を読めても理解はできない

この程度です。

一応仕事で英語を使うには十分なレベルには達していると思っています。なお、ここまでになるまで英会話学校に通ったこともありませんし、留学はおろか海外に行ったこともありませんでした(笑)

日本国内の英語学習者が英語を勉強するために必要な考え方や方法をお話ししますので、ご自分に必要な英語を身に付けるための参考になれば幸いです。

自分の勉強の到達点をどこに置くか決めることが最初のテーマ

英語の勉強自体には(というよりも英語に触れることには)終わりはないとよく言われますが、私のように普通の人はゴールのない勉強ほど身が入らないものです。

そのため、まず自分の目標はどの程度のレベルに置くのか考えましょう。

そのレベルは外資系企業に入って国際的に活躍できるレベルになること、日本国内の企業で英語をある程度使って仕事ができるようになること、通訳者・翻訳者になること、日常会話だけできるようになりたい、お酒を飲んで外国人と仲良く話がしたい(笑)といったレベルまで、本当に人によって様々でしょう。

何でもいいのです。まずゴールを決めます。そのゴールを達成できたと判断したらまたその時次のゴールを設定するのか、そのレベルの維持で良いのかはその後考えれば良いのです。

それによって勉強の方針が決まってきます。

例えば、国際的にビジネスで活躍したい場合は英語に加えて英語でビジネス知識・専門知識を勉強することも必要になってくるでしょうし、通訳者・翻訳者になりたいのであれば英語の勉強に加えて日本語の表現力の幅なども広げなければなりません。

ゴールがなければ英語の勉強の方針も決まりませんから、まずはゴールを決めてください。

英語の学習は「小間切れ時間を積み重ねること」と「やることを限定すること」

高校生や大学生であれば英語を勉強する十分な時間を取ることができますが、社会人はそうもいきません。

仕事をしなければ給料が入ってこないわけですから生活ができませんし、家族がいれば家族と過ごす時間も必要でしょう。また、日本語で自分の仕事のための勉強をする必要も、仕事上の付き合いの時間も必要ですから、とにかく社会人は英語を集中して勉強する時間が取りにくい中でやらなければいけません。

学習時間の捻出が一番難しいテーマですが、これには2つのアプローチがあります。

①小間切れ時間を積み重ねる

私が純粋に英語のための勉強をしていたのは、社会人になってからは電車の中が8割以上です。他の記事でも書いていますが、Z会の『速読速聴・英単語』シリーズの音読・マスターは全て電車の中で完了しています。電車の中では声は出せませんが、マスクで口を隠して呟いていました。

見直してみれば、生活の中で勉強にあてられる時間はまとまってはなくても、5分、10分、15分といった単位であればあるはずです。基本的に学習時間の捻出はこういった小間切れ時間を積み重ねることが現実的です。

そのため、常にカバンの中に英語の勉強のための本を一冊入れておくようにしてください。(スマホアプリなどでも良いですが、私は基本的に勉強をアナログでするので…)

②やることを限定する

小間切れ時間を積み重ねること以外に、「トータルで英語の勉強にかかる時間自体を減らす」というアプローチも重要です。

どの科目でも、参考書ばかり積み重ねる割に成績が悪い大学受験生や国家試験受験生が一定程度いますが、彼らは本を買うことで満足するか、買った本の量に耐えきれず結局どの本も最初の10ページ程度しか読んでいないパターンがほとんどです。内容はどの本も大した差はないのですが(笑)

時間のない社会人は、できる限り少ない本で自分にとって最大の効果をあげることを考える必要があります。

例えば、単語・熟語の勉強はこのシリーズ、シャドーイングはこの本、リスニングはこの方法という形で、それぞれ1テーマ1冊~2冊程度の本を他の上級者などにも相談して最初に決めておき、それと心中するつもりで他の本や方法には手を出さないという考え方が大切です。

あれもこれもと手を広げないかわりに、選んだ本や方法は何が何でも完璧にマスターするという気持ちでやりましょう。

なお、やることを限定するためには自分にとってのゴールがなければ取捨選択自体出来ませんから、やはり最初にゴールを設定しておくことが一番大切です。

勉強材料の選び方

人によってゴールが千差万別である以上、勉強材料の選び方には「絶対にこれだ!」という決定版は存在しません。

そのため、本サイトでも難易度も形式も違うたくさんの本を紹介しています。ご自分のゴールを設定したら、本サイトの記事を参考にしたり、他のお知り合いの上級者などに質問したりして、実際に書店に足を運び、勉強材料を選んでください。

その際に考える基本ルールを紹介します。

まず、自分にとって簡単すぎる材料を選ばないことです。

例えば、「1+1=2」を何千回何万回と解いても実力というものは全く上がりません。せいぜい「2」を書くスピードが速くなるくらいです。

かといって、難しすぎるものを選んでもすぐに嫌になって挫折してしまうでしょう。

勉強材料を選ぶ際は、難易度の面から見て「自分が少し背伸びすれば何とかこなせると思うもの」を選ぶことが基本ルールです。

使い始めは背伸びの状態ですからちょっと厳しいと思うでしょうが、学習が進めば背伸びが実力になりますから、こなすことは難しくなくなります。

他に、英語の勉強が他の勉強に比べて楽な点があります。それは、「息抜きとして英語に触れることも可能である」と言うことです。

勉強や仕事に疲れた時、洋楽を聞くだけでも良いでしょう。気分転換かつ少なくとも英語に触れるということもできるわけです。(メロディーだけ聞いて歌詞は知らんではダメですよ(笑))

英会話への慣れ方

国内学習者が英語を勉強する場合、特に英会話については「相手が話していることを聞き取れない、言いたいことをうまく言えない」が一番悩まれるところでしょう。

英会話の場合は英文読解などと違って文章が紙に残るわけではありませんから、口に出して聞き取れなかったら言葉が消えていきますのでリアルタイムの対応が求められます。

これは音読・シャドーイング・リスニングの練習を繰り返すことでいわば地力をつけるとともに、対面での会話自体に慣れることも必要です。

英会話学校に行って外国人講師にマンツーマン指導をしてもらうという方法もありますが、私はこの方法には疑問を持っています。

英会話学校の外国人講師は確かに外国人ではありますが、ただそれだけという人もかなりの割合でいます。日本に来て仕事がないからアルバイトでやっている人、誤解を恐れず言えば日本人が日本語を話せるのと同じで、英語は話せるけれどそれ以外の能力や教えるノウハウは全く持っていない人もかなり多いのが実情のようです。

それならば、わざわざ高いお金を払って英会話学校に行かなくても、外国人が集まるアイリッシュパブやスポーツバー、サークルなどに行って、一緒にお酒を飲んだり活動したりして、英会話をする機会を増やせばいいと思います。

私自身は大学時代日本人も外国人も混在していた学生寮に入っており、外国人留学生と飲み歩いたり一緒にトレーニングをしたりして自然と英会話が反射的にできるようになった点でアドバンテージがあったと思いますが、方法は考えてみればたくさんあるはずです。

なお、必ずしもアメリカ人やイギリス人などの英語が母語の人でなくても構いません。
私も大学生時代は英語が母語の人には何となく身構えてしまい、イタリア人やドイツ人と英語を使って話していました。

結局のところ、勉強は基礎トレーニングです。試合ではないので、英会話やビジネス交渉については場数を積み重ねて慣れるということがスクールに通うよりも大切ではないでしょうか。

ビジネス交渉についてはある程度の英語力があることを証明できない限り会社がその場に出してくれないということもあるでしょうからTOEICなどでハイスコアを狙うことが必要になりますが、TOEICハイスコアは書籍などの教材による勉強だけで十分に取ることができます。

その後はどのように実践するか、どの方法なら可能なのかをそれぞれが考えてくださればと思います。

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さかえ

さかえ

上智大学法学部国際関係法学科卒のビジネスマン。大学在学中は、純正日本人でありながら帰国子女率80%の上級英語クラスに所属していた。『TIME』『Newsweek』は辞書なしで読解可能。愛読誌は『The Wall Street Journal』『The Economist』。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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