中学校3年間で学習する英文法を30日間で総復習するドリルです。
中学校で英語が苦手になった高校生や、英語をもう一度勉強したい大人に向けて、やり直すチャンスを与えてくれる1冊。近道はないけれど、努力は必ず報われることを教えてくれる良書です。
なぜ英語ができないかを気づかせてくれる
日本人の多くは英語ができないと言われていますが、その原因は中学校で習う基本的な英文法をきちんと理解していないからです。
他の教科と違い、語学はピラミッド構造になっているため、基礎がなければ応用的な力をつけることができません。
中学校3年間で学習する英文法こそ、英語によるコミュニケーションのコアであり、中途半端なまま英会話を勉強しても、発展的な英語は身につかないと著者は訴えています。
あえて基本に忠実なレイアウト
まずInput Stageで英文法の解説を読み、Output Stageの演習問題で定着度の確認を行うスタイルです。
各章の最後にはCommunication Stageといって、英会話の並べ替え問題が用意されています。特別な仕掛けや、あっと驚くようなテクニックの紹介はありませんが、基本に忠実なレイアウトこそが、一番優れた学習スタイルなのです。
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Evine(エヴィン)『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』 |
文法用語をわざと使わない、あるいは説明を一部省略してしまう英文法の参考書が数多くあります。その一方で、中学英文法の全てを1つ残らず全て網羅し、一切の省略をしないことで、その後の発展的な英語学習の基礎づくりを行うという狙いが感じ取れます。
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Evine(エヴィン)『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』 |
高校で英語につまずいている生徒たちへ
中学校で英語が苦手になり、高校に入ってさらに英語の授業が分からなくなった生徒に向けて、もう一度復習の機会を与えてくれる1冊です。
29のレッスンで構成されているため、長期連休などを活用すれば、遅れていた基礎力を一気に取り戻すことができます。あれこれ参考書を探すより、まずはこの1冊をボロボロになるまで使ってみれば、必ず効果が出てきます。
英語をやり直したい大人たちへ
英語が苦手なまま大人になってしまった方にも、もう一度やり直すきっかけを与えてくれる1冊です。
著者は「効率のいい勉強方法を考えている時間が非効率です。」「結局は努力です。語学センスなんてものは二の次です。」など、応援メッセージを各所に載せてくれていて、心が折れそうな学習者を温かい声で励ましてくれます。英語やりなおしの第一歩としておすすめです。
まとめ
- 中学校3年間で勉強する英文法の全内容を、わずか29レッスンで総復習するドリル。
- 近道ではなく、あえて地道な学習法を推奨する、真面目で基本に忠実な1冊。
- 英語が苦手な高校生や、大人の英語のやり直しにぴったりの参考書。
著者のMr. Evine氏は最初外国人かな?と思っていたら、著者紹介によれば「恵比寿」という苗字の日本人講師の方です。神戸で「やりなおし英語JUKU」という英語塾を経営されているそうです(http://evinet.biz/index.html)。日本人講師だからネイティブ講師に劣るということは全くありません。現時点で中学英語がわからない層であれば、むしろ日本人講師から勉強の方法から教わったほうが良いですね。