英語学習法

【レビュー】ゼロからスタート 正しい音読学習:英語の全ての技能は「音読」で身に付けられることを説く

英語学習初心者から上級者まで正しい音読学習について知り、英語力を総合的に伸ばすための本です。

ゼロからスタート音読学習

英語学習はピアノの習得のように音読で練習する

読む・聞く・話す・書くと言った英語の4技能を伸ばすために共通して必要な勉強法は音読することです。英文を声に出して読むことですが、ただ読めば良いというものではありません。正しい手順でしっかりと音読することが必要です。日本に住み、一般的に日常で英語を使う機会があまりない人々が、第二言語として英語を学ぶためには、効率的に英語学習をしなければなりません。

英語を母国語とする人たちが子供の頃から10年以上かけて慣れ親しんで英語を自然に習得してきた方法とは別のやり方が必要です。英語学習はピアノの習得と似ています。

ピアノを弾けるようになるためにはまず、楽譜を読めるように読み方のルールや鍵盤の使い方など、基礎的なことを学びます。そして、学んだことを体で再現します。ピアノを上手に弾くために練習するように、英語でも同じことで、文法というルールを学んだら、音読で練習します。そうすることで英語の能力が伸びていきます。

どのように音読するのが適切なのか

正しい英語を聴いてその真似をすることがまず重要です。自分流ではなく、ネイティブスピーカーの話す英語を聴いてその真似をしていくことで本物の音に近づけていくことができます。そして、意味を理解することと、日本語訳ができることは違ったものであることを知りましょう。

英語を日本語訳しようと思ったら、名詞を後ろから修飾する場合などがあり、文を行ったり来たりしてしまうことがよくあります。リスニングの際は特に、英文を左から右に聞いて理解していく必要があります。音読学習のやり方として、この方法が勧められています。

サイト・トランスレーションは2~5語程度の意味で区切られたグループごとに日本語にしていく練習です。この練習をすることで英文を左から右へと流れるように理解していく感覚がつかめます。

STEP 1 サイト・トランスレーション
正しい音読学習_1S 正しい音読学習_2S
安河内哲也『ゼロからスタート 正しい音読学習』

次にリピート音読で、英文を聞いて意味を考えながらどんどん音読していきます。スクリプトを見ながら音読する方法と、スクリプト見ずに音読する方法(リピーティング)があります。

STEP 2 リピート音読、STEP 3 シャドーイング
正しい音読学習_3S 正しい音読学習_4S
安河内哲也『ゼロからスタート 正しい音読学習』

シャドーイングは、ネイティブスピーカーの発声に若干遅れたタイミングで英文を発声して読んでいくことです。アクセントや抑揚の練習になります。

いきなりナチュラルスピードでシャドーイングしようとすると難しいので、ゆっくりめに読まれた英文で練習するようにします。全ての段階を経たら、自然な速度の英語を聴いて、100%意味が理解できたか確認します。

最後に仕上げクイズで学んだことが理解できたかどうかの確認をします。

STEP 5 仕上げクイズ
正しい音読学習_5S 正しい音読学習_6S
安河内哲也『ゼロからスタート 正しい音読学習』

音読学習をたくさんこなして慣れていく

レベルを3つに分けて音読練習ができるようにいくつかのレッスンが設けられています。

3段階のレベルで音読学習を行う
正しい音読学習_7S 正しい音読学習_8S
安河内哲也『ゼロからスタート 正しい音読学習』

重要ポイントを思い出しながら、段階的にたくさんの音読の練習ができるようになっています。注目したい文法ポイントや語句の解説があります。

英文はネイティブスピーカーが書いたもので、内容はレシピやなぞなぞなど学習者を飽きさせません。本書で習ったポイントを思い出しながら、無理なく音読練習をしていくことができます。

まとめ

  • 英語はピアノの練習のように、ルールを覚えたら音読で繰り返し練習して習得する。
  • ネイティブの英語を真似して本物の音に近づけていくのがコツ。
  • 実力をチェックできる問題が多数組み込まれています。
●編集長からひとこと
音読系の英語学習法を一通り使いこなせるようになる本です。初心者は特に語学書を使った英語学習法を理解していないので、最初にこの本に取り組んでみると目から鱗が落ちると思います。著者の安河内哲也先生は東進の名物講師で、TOEIC満点の他、英検1級、国連英検特A級など、数々の上級資格を持つ英語の達人です。

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⇒同じく安河内哲也先生の著作です。
【レビュー】英語の勉強法をはじめからていねいに:受験英語のプロ・安河内哲也氏からマンガで英語の学習法を教わる
⇒いわゆる「音読」そのものの解説です。
音読学習:古典的な手法ながら、英語を英語のまま理解する土台を作れる

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