とらえどころがなく難しいといわれる「前置詞」を、キャラクター化して覚えようという学習書です。前置詞のイメージを表したかわいいイラストを使って楽しく用法を理解できます。
前置詞の使い方をちゃんと理解していますか?
中学英語からおなじみの文法事項、「前置詞」。スペルも短く簡単で、しょっちゅうお目にかかる身近な単語のはずですが、苦手とする人も少なくありません。それは、ひとつの語句に「こんな意味もある、でもあんな意味もある…」と複数の訳があてはまり、とらえどころがないからではないでしょうか。しかも、それを丸暗記しろと言われる…これではすっかり前置詞ギライになってしまうのも、無理はありません。
「前置詞」については、学校でもあまりくわしく学んでこなかった…という人がほとんどでしょう。しかし本来その語が持つ“コアイメージ”について知れば、前置詞はもっと理解しやすいものになる…そこで、「前置詞をキャラクター化する」という手法を用いたのがこの本です。
著者は、ビギナー向け参考書の著作も多い予備校講師・関正生氏です。関氏の参考書はどれも、やさしい言葉でスッと頭に入るように配慮されていますが、この本も同様です。わかりやすくやわらかな語り口、ほんわかとした癒し系イラストは、文法を学ぶ、というハードルを下げる効果が感じられます。同シリーズに『動詞キャラ図鑑』もあります。
キャラクター化することでイメージをつかむ
本文ページを見ていきましょう。まずは前置詞をキャラクター化したものにスポットライトを当て、「核心のイメージ」を紹介しています。(たとえば「at」は、一点をねらう凄腕ダーツプレーヤー、「to」は必ず目的地に届ける律儀な飛脚、といった具合です)。そしてそのキャラクターを使った短いマンガで、ピックアップした前置詞のイメージをさらに印象づけています。
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関 正生『核心のイメージがわかる!前置詞キャラ図鑑』 |
マンガの次のページでは、例文を用いて前置詞の使い方をていねいに解説し、より理解が深まるよう構成されています。似たような意味を表現する前置詞があれば、どのように使い分けるかについても説明があります。このあたりは、従来の参考書でも扱われているような内容ですね。収録された前置詞は30個。重要度にあわせて4つのカテゴリーに分けられ、解説されています。
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関 正生『核心のイメージがわかる!前置詞キャラ図鑑』 |
従来の参考書では読む気がおきない人にも
『核心のイメージがわかる!前置詞キャラ図鑑』は、一冊まるごとフルカラー印刷でとてもカラフル。参考書というよりコミックエッセイ風の雰囲気です。英語が苦手な人にも、親しみやすいイメージを持たせたい、という配慮が感じられます。細かい字がびっしりの辞書や、かたくるしい説明の参考書は読みたくない!という人でも、これならとっつきやすいかもしれません。
「前置詞キャラ図鑑?何だろうこれ…読んでみようかな」と、まず興味を持たせることが、この本の一番のポイントではないでしょうか。苦手な前置詞をもっと気楽にやさしく学びたい、という人向け、ちょっと変わった切り口の学習書です。
まとめ
- 前置詞に的を絞った、読み物的学習書です。
- 前置詞の核心イメージをキャラクター化するという、ユニークな手法を用いています。
- かわいらしいイラストが豊富で、気軽に手にとって読んでみたくなる雰囲気です。