もくじ
- 基本コンセプト:リスニング学習の効果・効率を高めるCD/MP3プレーヤー
- 観点①:聴きたい箇所にすぐにアクセスできるか?
- 観点②:シャドーイング・リピーティング向け機能
- 観点③:発音を改善するための機能
- 観点④:音声速度変換の性能
- 観点⑤:聴きたい部分を繰り返し再生するA-Bリピート機能
- 観点⑥:ディクテーション向け機能
- 観点⑦:携帯性・利用対象者・価格
- 総評
観点④:音声速度変換の性能
語学学習CDは、必ずしも自分のリスニング力に見合った速度で音声が収録されているわけではないので、音声を速くする/遅くするための機能(音声速度変換機能)は極めて重要です。
なぜなら、速い音声を遅くして適切な速度でリスニング練習できますし、逆に学習に慣れてきたら音声を速くして単位時間当たりのリスニング回数を増やすことができるからです。
また、速い音声の聞き取りに慣れておけば、通常速度の音声が遅く感じて理解しやすくなる、という効果も期待できます。
語学学習機『SL-ES1』
再生スピードボタンで5段階(遅い、やや遅い、標準、やや速い、速い)で再生速度を変更できます(音程は維持されます)。
個人的には、語学用としては段数が少ないのではないかな、と感じました。コスト上の問題でしょうか?もっと細かく調整できればよいのですが…
何倍速になるかは説明書に書いてないのですが、『まねっこ倶楽部』と比較して聴いてみると「遅い=0.8倍」「やや遅い=0.9倍」「標準=1.0倍」「やや速い=1.2倍」「速い=1.4倍」でした。
変換音声の音質は、語学用のプレーヤーだけあって、ノイズ感も少なく良好です。ヘッドホンで聞いても自然に聞こえます。
語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』
音声速度変換用のトラックバーで、0.2倍速~2.0倍速まで19段階(0.1倍速刻み)で再生速度を変更できます。語学用であれば、これくらいの段数で変換できるのが理想的ではないでしょうか?
2.0倍速以上にはできませんが、これ以上速くしてもそもそも速すぎて聞き取りができないので、仮に実装されていてもほとんどの学習者は活用できず無意味でしょう。
変換音声の音質は、語学学習機『SL-ES1』と同様にヘッドホンでも非常に良好、特に0.5倍速以下の極端に遅い音声でも聞きやすい音質に感じました。
まとめ
- 語学学習機『SL-ES1』はコスト面での制約のためか、速度は5段階しか調整できず、やや物足りない。
- 語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』は、必要十分な段数(0.2倍速~2.0倍速、19段階)で調整でき、理想的。
- 音程はどちらも維持しているので問題なし(レコードの早回し・遅回しのようにおかしな声になることがない)。
- 音質はどちらもノイズ感がなく聴きやすい。