堂本秋次の書斎

2020/11/15

【ラブクラフト】第9回:未知なるカダスを現実に求めて(The Dream-Quest of Unknown Kadath)

ラブクラフトのオススメ作品を紹介するコラム、今回は『未知なるカダスを夢に求めて』(The Dream-Quest of Unknown Kadath)をご紹介します。ラブクラフト作品と言えば、現実に根ざした『すぐそこにある恐怖』や宇宙的恐怖などが特徴ですが、それと同時に大自然の美しさや非現実的なものの美などについても描写が細かいことはラブクラフト作品を真に楽しんでいる人にとっては周知のこと。そしてこの『未知なるカダスを夢に求めて』は、そんな非現実的な幻想描写が多分に含まれた冒険活劇なのです。 ●執筆者・堂 ...

2020/11/15

【シャーロック・ホームズ】第9回 親指を立てられない話 (The Adventure of the Engineer's Thumb)

シャーロック・ホームズの短編を紹介するシリーズ、今回は有名どころから『技師の親指(The Adventure of the Engineer's Thumb)』を紹介します。シャーロック・ホームズと言えば理路整然とした推理と謎解き、そして僅かな状況証拠から真相を暴いていくのが作品の醍醐味ともされていますが、それだけではなく、冒険活劇のような作品も決して少なくないのです。 技師の親指は、まさにそんなアドベンチャーとしての物語。ワクワクドキドキしながら、どんな結末と真相に繋がっているかを見ていくと良いでしょう ...

2020/11/15

【ラブクラフト】第8回 遺体安置所にユーモアは埋葬されるか(In the Vault)

ラブクラフトのオススメ短編を紹介するコーナー、今回は『遺体安置所にて』をご紹介します。ラブクラフトの小説と言えば、おぞましい真実や(文字通り)人智を越えた化け物が登場するのがお約束。しかし、そうではない作品もあるのです。 この『遺体安置所にて』は、そういった類いの作品のうちのひとつ。ちょっとした小咄、あるいはブラックユーモア、それともあるいは落語チック。そんな小気味良い作品です。しかしその根底にあるラブクラフトの世界観は、実は繋がっているのかもしれません。 ●執筆者・堂本氏の著作『ラブクラフト短編集7』に ...

2020/11/15

【シャーロック・ホームズ】第8回 不完全な物語を銀の炎(Silver Blaze)で焼く前に

シャーロック・ホームズのオススメ短編を紹介するコーナー、今回は少しマイナーな短編をご紹介します。その名もシルバー・ブレイズ事件(白銀号事件)。ホームズの推理が冴え渡る、推理小説として読める名作です。 ●執筆者・堂本氏の著作『シルバー・ブレイズ事件 シャーロックホームズ傑作集』 あらすじ 大きな競馬のイベントで出走予定だった本命馬であるシルバー・ブレイズが姿を消した。そのような馬が消えたとなれば、誰の作為かと憶測も広がっていく。更にはその馬の調教師まで死体で発見されたということで、ホームズはこの事件の依頼を ...

2021/1/6

【ラブクラフト】第7回 インスマウスと現実を覆う影(The Shadow Over Innsmouth)

ラブクラフトの著作を紹介するシリーズ、今回は今までに比べてやや長めの短編である『インスマウスの影』(『インスマスを覆う影』とも)を紹介します。ラブクラフト作品の中でも重要な、ある漁村が登場する代表作。重要な設定や退廃的世界観などが表れている、ラブクラフトらしさを存分に感じられる作品です。 インスマウスとインスマスで表記揺れがありますが、これはInnsmouthの読み方が統一されていないためで、こういった表記揺れは例えばCthuluhu(クトゥルフ/クスルフ/クトゥルーなど)にも見られます。それはある意味で ...

2020/11/15

【シャーロック・ホームズ】第7回 思わず唇が歪む秀逸な物語 『The Man with the Twisted Lip』

シャーロック・ホームズの短編を紹介する本コーナーも、ついに6冊目の紹介となりました。今日は、個人的にとても好きな短編、『The Man with the Twisted Lip』を紹介します。拙訳では『歪んだ唇の男』となっていますが、『唇のねじれた男』というタイトルの方が一般的かもしれません。 プロット、言葉遊び、そしてシャーロキアンとして考えるべき謎。あらゆる面白さが詰め込まれて、それでもコンパクトにまとまっている本作は、最初の一冊としてもぜひオススメしたい一編です。 ●執筆者・堂本氏の著作『歪んだ唇の ...

2020/11/15

【ラブクラフト】第6回 冷気宿る部屋に花束を『Cool Air』

ラブクラフト作品を紹介するコーナー、今回は『冷気(Cool Air)』をご紹介します。ラブクラフト作品らしく恐怖というものを別の視点から捉えようとした傑作である本作ですが、特筆するべきは原文表現の面白さにあります。小説という媒体の奥深さを知ることもできるこの一編は、短さもあってとても読みやすいお勧めの一作です。 ●執筆者・堂本氏の著作『ラブクラフト短編集4』に収録 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07F3FCSWT あらすじ ニューヨークのある安下宿で暮 ...

2021/1/6

【シャーロック・ホームズ】第6回 ホームズが暗号を解くという珍しいエピソード『踊る人形』(The Adventure of the Dancing Men)

シャーロック・ホームズの傑作を紹介するコラム第6回は、『赤毛連盟』にも続いて有名な短編、『踊る人形』をご紹介します。 子どもの落書きのように見えるものが実はある危険を伝えていたというこのエピソードは、シャーロック・ホームズの短編の中でもかなり知名度が高いものであると言えるでしょう。その知名度の高さは、この作品を元にして作られた作品がどれだけ多いかということ、そしてこの物語が当時如何に目新しいものとして読まれていたかということを表しています。 多くの人のお気に入りの一冊に数えられることも多い『踊る人形』です ...

2021/1/6

【ラブクラフト】第5回 銀の鍵(The Silver Key)の向こう側

ラブクラフトの名作短編を紹介する本コーナー、第五回は『銀の鍵』をご紹介します。基本的にこれまでは一般的にラブクラフト作品として有名どころ、また名作として名高いものを紹介してきましたが、ここで少し、個人的な趣味に寄った短編をご紹介させて頂きます。 超有名というほどでもなく、『クトゥルフの呼び声』などの有名作に比べれば知名度はかなり落ちてしまう本作ではありますが、しかし個人的には、これこそラブクラフトの真髄だと言える短編だと信じて疑いません。 ●執筆者・堂本氏の著作『ラブクラフト短編集5』に収録 https: ...

2020/12/3

【シャーロック・ホームズ】第5回 マスグレーヴ家の儀式(The Musgrave Ritual)とホームズのルーツ

原文でホームズに触れてみたい人、ホームズという作品に興味がある人に送る記事も、これでいよいよ5回目。次回が折り返しとなります。 今回の記事で扱う事件は、ホームズにとっても特別な事件。何せ、ホームズが一躍諮問探偵として有名になった、ある意味ではホームズの初めての事件なのです。 ●執筆者・堂本氏の著作『マスグレーヴ家の儀式 シャーロックホームズ傑作集』 あらすじ ある日、ホームズの部屋が足の踏み場も無いほどに汚くなりつつあることに気付いたワトソンは、そろそろ片付けた方が良いのではないか、と苦言を呈します。意外 ...

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