「赤ずきん」や「ジャックと豆の木」など誰もが知っている海外の名作を英語で読んで、語彙やフレーズを学べるリーディング教材です。
学習者のレベルに合わせて名作を3段階に分けてある
物語の長さによって名作が3段階のレベルに分けられています。初級編は1話が約450~650語の4話を収録、中級編は約950~1300語の5話、上級編は約2300語の1話を収録しています。はじめは初級編の1話を勉強してみて、聴き取れなかったり理解できなかったりする箇所が多い場合は、初級編からもう1話を選んで学習をする、という風に進めると良いでしょう。
![]() |
![]() |
松崎 博『英語で読みたい 世界の名作』 |
もし初級編が簡単に理解できたという場合は、次に中級編から1話を選んで学習しても構いません。ただし、物語ごとに取り上げられる英単語やフレーズは違うので、初級編をすべて終えてしまって使われている英単語を理解してから、中級編へと進むことをお勧めします。
上級編は力試しです。本書でどれだけ英文読解力がついたのか知るためにも重要なので、最後に取り組みましょう。
重要フレーズ66個とそのフレーズを使った表現例文132個で語法をマスター
合計10話の物語の中に出てくる重要フレーズ66個を取り上げて、文法や語法の詳しい解説がされています。それぞれのフレーズを使った例文が2文ずつ掲載されているので、英単語や英熟語ただ覚えるだけではなく、単語の使い方をしっかりと身につけることができます。そのため、実際に自分が英語を話すときや書くときに学んだフレーズを使っていけるように、英語の総合力をアップさせられる仕組みになっています。
![]() |
![]() |
松崎 博『英語で読みたい 世界の名作』 |
カラフルで読みやすいデザインで英語学習を続けられる
単語やフレーズの参考書によくあるように、活字だけでひたすら暗記しようとすると、途中で英語学習を断念してしまうという人もいるでしょう。しかしこの学習書では、名作の英文ページと重要フレーズのページのどちらもきれいな絵とカラフルな構成で見やすいため、楽しく学習が続けられるように工夫されています。
![]() |
![]() |
松崎 博『英語で読みたい 世界の名作』 |
辞書を引かずに読み進められるページ構成
長文を読む際にわからない英単語が出てくると辞書を引きたくなると思いますが、読んでいる途中で辞書を引いてしまうと長文読解の流れを止めてしまい、結局その長文が何を言いたかったのか分からずに読み終えてしまうことになりかねません。
本書では名作の中に出てくる難しい英単語は脚注で意味が掲載されているので、辞書を引かずに物語を読み進めていくことができます。このため、長文をスムーズに読み切るとても良い訓練になります。
![]() |
松崎 博『英語で読みたい 世界の名作』 |
初級編は英単語がそれほど難しくなく、物語の長さもそれほど長くないのでTOEIC500点ぐらいの学習者が取り組める内容になっています。中級編、上級編もあるのでTOEIC700点~800点の人にも十分に読みごたえ、学びごたえのある内容に仕上がっています。
はっきりとクリアな発音を吹き込んだ付属CD
吹き込み音声の速度を測定したところ、約130語/分となっていました。英語学習書の付属CDとしては、ややゆっくり目の発音となっています。はっきりとクリアに発音されているので、初級者~中級者でも聞き取りやすいと思います。
![]() |
松崎 博『英語で読みたい 世界の名作』付属CD(1枚組) |
話者の性別は、男の子向きの物語は男性、女の子向きの物語は女性となっています。男性は一般的な声の高さで、声が低すぎて聞き取りにくい、ということはありません。台詞の部分の朗読は「役になりきって」感情を込めた発声となっており、楽しく聞き取り練習できるのもポイントが高いです。
まとめ
- 学習者のレベルに合わせて名作を3段階に分けてある。
- 重要フレーズ66個とそのフレーズを使った表現例文132個で語法をマスターできる。
- カラフルで読みやすい構成で英語学習が続けられる。
- 聞き取りやすいクリアな発声のCDが付属している。
随所に、美しくとても雰囲気のよいイラストが差し込んであり、楽しい気分で読み続けることができる本です。英語学習法に関するお役立ちコラムもあり、全体としてクォリティが高い学習書のように感じました。