海外旅行で使えそうな会話を中心に学習ができる英会話教材です。教材としては珍しくマンガのようなコマ割り形式をとっており、付属のCDを併用して楽しく英会話表現を学べます。
英語でのコミュニケーションの突破口!
1章完結のショートストーリーを基本に会話表現を学んでいくスタイルをとっています。海外にいざ行ってみると会話が続かない!何と言ったらいいか分からない!と苦い思いをしたことが誰しもあるのではないでしょうか。そのような方に「難しく考えないで」と、優しく「ゆな先生」が考え方を指南してくれます。学習者は肩の力を抜いて英会話表現に取り組むことができます。
学習方法は非常にユニークです。実際に「よくありそう」な状況を想定した生活感あるショートストーリーを読み進め、穴抜きにされている「疑問文の吹き出し」をどう英語で表現するか考えるという学習方法です。
![]() |
![]() |
入江 泉『教えて!ゆな先生の質問英会話』 |
『教えて!ゆな先生の質問英会話』では、疑問文に焦点を置くことで「英語での会話が長く続かない」「相手に質問を投げかけることができない」というジレンマを解消しようというコンセプトを掲げています。また、英会話初心者レベルのキャラクター「斎藤さん」が登場し彼女の思考過程や疑問もカバーしながら解説が進むので、解説に置いていかれてしまう心配はありません。ありがちなミスにも言及してくれています。
中学英語を駆使して気楽に英会話
各章のテーマとなる「吹き出しに当てはまる疑問文」は中学英語レベルです。ネイティブを意識したこなれた表現を使うことなく、背伸びせず既に知っている語彙でどうやって日常会話を続けるかということに重点を置いています。
ショートストーリーの吹き出し以外の文章は現実味のある日常会話なのでリスニング教材として使用するとより日常会話を聞き取る・話すことに強くなるでしょう。文章量も多い訳ではないので、ディクテーション教材として利用することも可能です。
まるでマンガのような読みやすさ
『教えて!ゆな先生の質問英会話』の特徴としては、全ページがコマ割りで構成されているのでマンガを読む感覚で勉強することができます。見開きの右ページのマンガが1章完結のショートストーリーで、左ページが解説となっています。
各コマの和訳はコマの外に併記されているので、ストーリーを追いながら和訳もそのままチェックできる工夫がされています。全部で70の章で構成されていますが、まるでマンガ本を読んでいるかのようにその量を負担と感じることなく取り組めると思われます。
![]() |
![]() |
入江 泉『教えて!ゆな先生の質問英会話』 |
見開き左ページの右上にはCDのトラック番号が書かれており、これは章の番号と連番になっているのでストレスなく使用可能です。
そして、『教えて!ゆな先生の質問英会話』が全体的に淡い、優しい色合いで統一されているので長時間読んでいて目が疲れにくく、どちらかというと女性が手に取りやすい雰囲気が感じられました。職場でも、通勤中でも、本棚の中でも悪目立ちせず気軽にどこでも本書を開きやすいです。
CDレビュー
吹き込み音声の速度は、約140~150語/分です。初心者向きの英会話教材なので、もっとスローな吹き込み音声を予想していましたが意外でした。抑揚のある発声で、感情を込めた楽しい会話音声です。
![]() |
入江 泉『教えて!ゆな先生の質問英会話』付属CD(1枚組) |
背伸びをしない英会話で、学習者に優しく対応
取り組みやすいレベルの英会話が各章のテーマとなっています。したがって、「英語は苦手だけど海外旅行は好きだから、最低限の英会話ができるようになりたい」「会話がどうしても続かない」という英会話に関する悩みを持っている学習者におすすめです。
また、「ネイティブのような、こなれた表現をたくさん勉強したい」という方には向いていないと感じるものの、リスニング教材・ディクテーション教材としての利用だと初心者~中級者向けの教材とも言えます。目的に沿った選択をすると十分な学習効果が得られます。
まとめ
- 生活に必要最低限の会話を英語で続けられるようになることに焦点を置いている。
- 中学英語レベルの英語なので苦手意識を持つ初心者でも英会話学習を続けられる。
- コマ割りと一話完結のショートストーリーで、楽しく計画的に学習を進められる。
- ディクテーション教材として利用すれば、ワンランク上の学習効果が期待できる。