『英語で読むシャーロック・ホームズ』は、世界の名著をコンパクトにまとめた「IBC対訳ライブラリー」シリーズの一冊です。推理小説の名作「シャーロック・ホームズ」の物語を、英語と日本語対訳の両方で味わうことができます。
世界の名著を読みやすくまとめたシリーズの一冊
一世紀を経て今もなお世界中の人々に愛され、熱烈なファンも多い『シャーロック・ホームズ』シリーズ。翻訳でなく英語で読みたい!と思う人も多いことでしょう。
この本に掲載されているのは「シャーロキアンが愛した5篇」として「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「まだらの紐」「空家の冒険」、そして「踊る人形」の5作品が取り上げられています。
英語と日本語訳が対比された、見やすいレイアウト
ページ構成としては、まず見開きにタイトルとあらすじ・挿絵、そのあと左ページに英文、右ページに日本語訳がついています。欄外には難しい語句の意味と品詞が載っています。
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コナン・ドイル『英語で読むシャーロックホームズ』 |
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コナン・ドイル『英語で読むシャーロックホームズ』 |
各作品の最後には、「覚えておきたい英語表現」として5~6フレーズをピックアップして解説が加えられています。関連する例文も添えてあります。
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コナン・ドイル『英語で読むシャーロックホームズ』 |
推理小説を教材にするメリットは、謎に包まれたストーリーが気になって、「もっと先を読みたい!」という動機づけになることです。
ただ、ペーパーバックだと難しい部分の読みとりが大変な場合もあります。とくに推理小説はディテールにストーリーの鍵があったりしますから、そこが正確にわからないと面白さも半減してしまいます。
本書はオリジナルよりも簡略化されていますし、対訳付きですので、いきなりペーパーバックに挑戦するよりはずっと読みやすいと思います。まず語句の注を参照して英文を読み、疑問に思う部分があれば、右に目を移すとすぐに訳文を参照できるので便利です。
リスニング初心者にやさしい、ゆっくり発音のCDが付属
収録音声の速度は約120語/分~135語/分で、かなりゆっくりとした音声です。全編を通して、男性のナレーターが朗読を担当しています。
教材CDらしい淡々とした朗読ですが、はっきりと発音しているため、初心者でも特に発音自体が分からないという事態にはならないでしょう。
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コナン・ドイル『英語で読むシャーロックホームズ』付属CD(1枚組) |
英検準2級、TOEICなら500点以上からが目安
前半の3篇は比較的短く、文章もシンプルですが、後半2篇は難度が上がります。ストーリーが長くなるだけでなく、挿入句や関係詞が多く出てくるので、英文そのものが長くなり構造も複雑になります。
そのため後半を読みこなすには、前半を読むのに比べ、ワンランク上の力が必要かもしれません。レベルとしては英検準2級~2級、TOEICなら500点程度くらいからが良いでしょう。
まとめ
- 推理小説の名作「シャーロック・ホームズ」シリーズの対訳教材です。
- 英文と日本語訳が対比され、ストーリーを追いやすいつくりです。
- 英検準2級、TOEIC500点以上が目安となります。
編集長注:本書の英文は原文ではありません
本書の英文は原文の難解な語彙や表現を平易なものに書き換えたり、省いたりして再構成したものです。原文を読みたい場合は、以下のサイトをお勧め致します。コナン・ドイルの著作は著作権が切れているので、どの作品も無料で読むことができます。