質問
英単語の効率のいい覚え方について質問させてください。私は記憶力がそれほどいいとは言えないと感じており、単語カードなどを何度も何度もめくり覚えようとするのですが、これがなかなか上手くいかず、試験の本番でど忘れしてしまったりします。
こんな有様だと、せっかく必死に頑張った努力が報われないようで悲しいです。そこで、肝心の本番で忘れないような、なにか効率的な英単語の覚え方はないのかを教えていただきたく思います。
回答(諏訪部麻里子)
ヒトは忘れる生き物だけど、五感を味方に立ち向かう!
いざ試験が始まると緊張や焦りにのまれて覚えていた単語を忘れてしまう気持ちはよく分かります。ただ、ヒトはどんなに一生懸命覚えても忘れていってしまうものです。試験日には覚えていて使えたとしても、試験が終わってしばらく放置していたら記憶が忘却の彼方へいってしまうなんてことは自然なことです。ご経験はありませんか。
それでも長期記憶として自分の記憶を試験や人生に生かしたいのであれば、五感をフル活用してみましょう。ヒトの脳は「飽きっぽい・グルメ・出現回数と重要度を比例させる」性質があります。この性質を逆手にとって「同じ情報を色んな方法で叩き込む」と脳は「大事な情報だから長期保存しよう」と認識させるのです。
質問者さんは英単語を単語カードで覚えているようですが、実際に発音したりCD音声を取り入れたりするだけでも違ってきます。イラストを横に描くのもオススメです。私はどうしても覚えられない単語を自宅の階段の段に一段ずつ貼って、意味を答えながら上るようにしていたこともあります。(降りるときは危ないのでやりませんが…)五感をフル活用することで、長期記憶を目指しましょう。
回答者:諏訪部麻里子
国立大学現役医学生。大学受験でセンター試験、二次試験ともほぼ満点で通過した英語力を持つ。
詳しいプロフィール
回答(Kana)
何か覚えようとするには、五感を駆使し、あらゆる手段で反復することをおすすめします。例えば英単語なら、単語カードを見るだけでなく繰り返し音読する・手で書いて覚える・家のあちこちに単語カードを貼る(一日に何度も目にする、冷蔵庫のドアやトイレの壁がおすすめです)……など、様々なアプローチがあると思います。
“たまに会うだけの人は忘れても、毎日会う人の名前は覚える”というのと同じです。何度も出会う単語なら、きっと覚えられるはずです。
人間は基本的に忘れる動物だと思います。記憶力がいい人というのは、たぶん覚えるための手がかりのようなものを、意識してたくさん持とうと努めているのだと思います。
私は英検用に難しい単語を覚えるとき、単語の読みからダジャレを作ったり、単語集の片隅に、単語からイメージする落書きを書いたりして記憶しました。不思議なもので、そのダジャレや絵が下手でくだらないほど印象に残り、覚えてしまいます(恥ずかしいので自分の単語集を人様にはお見せできなくなるのが難点ですが)。
いろいろ試せば、きっと何かしら、自分にあった方法が見つかるはずです。記憶のための手がかりは多ければ多いほど良いですから、ご自分なりのたくさんの手がかりを作ってみてください。
回答者:Kana
お茶の水女子大学卒。中学生向けの民間の個別指導塾で英語講師として勤務している。英検1級、TOEICスコア910を保有している。
詳しいプロフィール
回答(neco_user)
単語の覚え方は私も過去に色んな方法を試してみましたが、結局行きついたのは「長文の音読とリスニングを繰り返す方法」です。
この方法には様々な利点があります。第一に英文の中で英単語を覚えるため、その英単語が使われる状況・前後関係がよく理解できるということです。逆に英文全体のテーマや前後関係から、その英単語の意味を知らなくても推測する良い訓練になります。
どのくらいの英語力を手に入れたいかによりますが、例え英検1級であっても知っている語彙は高々1万語強です。これに対して、ネイティブスピーカーは3万語~5万語の語彙力があるといわれています。英語の専門家になる場合を除いて、これだけの語彙を身に付けるのは大変困難なことです。このため、知らない英単語の意味を推測するというスキルはとても重要なのです。
第二に、長文には知っている英単語、知らない英単語がそれぞれ含まれています。知っている英単語であっても繰り返し読んだり聞いたりすることで記憶が強固になっていきますし、色んな使い方が身に付いていきます。知らない英単語は当然、覚えるべき英単語なので、読み聞きしなければいけません。
第三に、音読やリスニングは、英単語を覚えるだけでなく、聴き取りや発音の練習にもなります。英単語の勉強だからといって、英単語だけを一生けん命単語カードで暗記するのは、個人的にはお勧めできません。
なぜなら英語学習のなかで英単語の勉強はほんの一部に過ぎず、他にも英文法、リスニング、読解、スピーキング、英作文、発音等、勉強しなければならないことは山のようにあります。これらを、なるべく「同時並行」で勉強していくことが、速く上達する鍵です。
「音読とリスニング」は、このように勉強しなければいけない複数の要素をまとめて鍛えることができる素晴らしい方法です。知っているひとには基本中の基本なのですが、学生や初心者だと意外にやっていない方が多いようです。もし、長文の音読とリスニングをやっていないのであれば、今日から手元にある参考書とCDで取り組んで行きましょう。
回答者:neco_user(編集長)