『おとなの基礎英語』はNHK・Eテレで平日に放送中の語学番組です。講師はZ会『速読速聴・英単語』シリーズの監修でも著名な立教大学教授・松本茂先生。放送は一回10分と短いですが、テキストが毎月発行されており、1か月分のスクリプト全文と日本語訳、コラム等が掲載されています。
2016年春開講のシーズン5は、『旅フレーズ75+75』と題して、「旅先で役立つキーフレーズ75」と「よく使われるちょっとしたひと言75」の計150フレーズを半年間で学べる講座となっています。番組はドラマ仕立てで、舞台はオーストラリアです。
難易度は中学英語レベルだが大人の学習者も意識したつくり
『おとなの基礎英語』は、NHKの語学番組の中では難易度は中級、「日常生活での身近なことがらについて簡単なやりとりができるレベル」となっています。
英検なら3級、TOEICでは500点前後が目安です。学生はもちろん、シニアまでの幅広い年代の学習者におすすめです。旅がテーマですので、海外旅行先で現地の人々との会話をもっと楽しみたい、という方には特に役立つと思います。
見やすく余裕をもったレイアウト
テキストは、見開き2ページ分に放送1回分の英文スクリプト・日本語訳が掲載されています。
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NHK出版『おとなの基礎英語』 |
その次の見開き2ページには、その日のキーフレーズが大きな文字で強調され、詳しい解説がついています。
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NHK出版『おとなの基礎英語』 |
文字の大きさは中学校の英語教科書程度で、行間にも余裕があり、シニアの方でも読みやすいレイアウトです。ページには余白がたっぷりあるので、放送を見ながらメモをとるにも十分なスペースがあります。各回のスクリプト以外のページには、オーストラリアの写真やコラムなどが載っており、楽しみながら勉強できるよう配慮されています。
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NHK出版『おとなの基礎英語』 |
テキスト利用で学習効果をアップ
この番組を含め、NHKの語学講座はテキストなしで番組を視聴することもできますが、あえてテキストを使うメリットは、学習効果のアップが狙えるということです。
放送でのセリフはナチュラルスピードですから、全くの初心者には聞きとりの難しいところもあります。テキストがあれば、そうした部分をしっかり確認することができます。今回のロケ地オーストラリアの英語は、アメリカ英語とは発音もやや異なりますので、慣れないうちはテキストがあると聞きとりの助けになるでしょう。別売CDもあり、テキストにはCDの頭出し番号もついています。該当するスクリプトの再生に便利です。
放送を欠かさず視聴、そして復習……というサイクルを習慣にすれば、独学でもしっかりと学習をすることができます。ひと月500円ちょっとのテキスト代ですが、英会話学校に通う月謝と比べれば非常にローコストですから、「お金をかけずに学びたい」という人にはもってこいの講座です。
まとめ
- 学生からシニアまで、幅広い年代の学習者におすすめです。
- 見やすいレイアウトで、詳しい解説つきのテキストです。
- テレビ講座での学習を、より効果的に行うのに役立ちます。