『速読英熟語』は文脈主義で大学入試必須の語彙を習得することを提唱する教材の代表、Z会の速読英単語シリーズの熟語版の参考書です。
英熟語の習得だけではなく、語法問題対策にも効果大
タイトルは『速読英熟語』ながら、構文や語法もターゲットとしています。収録されている熟語に関しては、おおむね知っていて絶対に損がないものが網羅されていますから、熟語に関しては本書一冊分(見出しとして855熟語)で最難関大学までカバーできます。
また、以下のページレイアウト図を見ていただきたいのですが、赤字がテーマの熟語、青字が構文・語法表現として収録されています。
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温井 史朗『速読英熟語』 |
同社の『速読英単語』シリーズを使ったことのある方ならおなじみの、左に英文、右に和訳、ターゲット語は赤字の構成の基本は守りつつ、構文・語法の重要表現について青字で収録しているのは本書の大きな特徴です。
単なる熟語特化のボキャビルに焦点を当てた学習書ではなく、構文・語法などの文法事項についても文脈主義で習得することを目的にした、意欲的な本になっています。
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温井 史朗『速読英熟語』 |
英文法の参考書を一冊終わらせた後に取り組みましょう
本格的な英語受験勉強を進める場合、単語・熟語、文法・語法、英作文、構文、英文読解、リスニング…とやることが多く、また覚えることも多いので、何から始めればよいか迷う人も多いでしょう。
私は現役の大学受験時、「英文読解・単語や熟語の習得」は同じ教材で同時に行うというやり方をとり、3ヶ月で英語の成績を偏差値40台から70台までもっていきました。
わかりやすくセンター試験模試の得点でいうと、200点満点中70点取れないレベルから、190点を当たり前に取れるレベルまで急成長しました。
そのレベルに持っていくために使用したメイン教材の一つが、Z会『速読英単語 必修編』でした。詳しい勉強方法は他の記事で書いておりますので割愛しますが、ひたすら精読した文章を音読することの繰り返しです。
まるでビリギャルのような本当の話。元上智大生・さかえの『偏差値40台から上智大学に合格した私の英語学習法』
ただし、『速読英単語』シリーズのような文脈の中で単語・熟語を覚えることを目的とした教材の場合、英文法の知識がある程度固まっていないと途中で分からなくなって挫折する可能性が高くなります。
そのため、『速読英単語 必修編』または『速読英熟語』のどちらから始めても良いとは思いますが、前段階としてわかりやすい英文法の参考書を使って文法の基礎を固めておきましょう。
なお、英文法の参考書は薄い方がいいです。大学受験生であれば『ロイヤル英文法』などの参照用・辞書的な参考書ではなく、『今井の英文法教室』などの学習用の参考書を選びましょう。
ただ『速読英熟語』にも、構文・語法の解説が巻末に収録されているので、簡易的な文法書として利用することも可能です。
【レビュー】今井の英文法教室:受験英語最高の名著と言われる東進ハイスクール・今井宏先生の参考書
『速読英単語 必修編』と同時使用すれば効果倍増
『速読英単語 必修編』の方はベストセラーで、使っている大学受験生はかなり多いようですが、本書は意外と使われていないようです。
私が実際に大学受験生の時には『速読英熟語』はまだ刊行されていませんでしたが、もし当時本書があれば私はこのように使っていたと考えます。
1. 英文法全範囲のイメージ作り(ぼんやりわかる程度で良い。短期間で終わらせる)
2. 本書と「速読英単語 必修編」を同時に使用してボキャビルをする
3. 本書で熟語を覚えるのと同時に構文・語法の実際の英文での使われ方を確認
4. 英文法の参考書を適宜参照しつつ、ボキャビルと同時に文法知識の理解も深めることを狙う
『速読英単語 必修編』は収録単語にも無駄がない良書なのは言うまでもありませんが、英文法のイメージを作った程度の段階で取り組むと、文法・構文・語法については自分で文法の学習書を参照しながらつかんでいく必要が生じ、ややロスが生まれます。
『速読英熟語』を同時に使って英文読解をしつつ、文法・構文・語法の実際の使われ方を体感しながら単語・熟語の習得も同時に行う、という方法を取れば、短期間に英語の実力を総合的に伸ばすことができます。
まとめ
- 速読英単語シリーズのうち、英熟語に焦点を当てた教材。
- 大学受験に必要な熟語を網羅的に収録。
- 構文・語法も青字で収録されており、文法知識の実際の使われ方も確認できる。
- 「速読英単語 必修編」との同時使用で総合力を一気に伸ばすことが期待できる。
英熟語をターゲットした「長文型」の教材は、かなり珍しい存在です(熟語本は「例文型」が多いため)。大学受験生であれば、本書収録の熟語を習得しておけば難関大でも充分でしょう。TOEIC高得点を狙う社会人・大学生の場合は、さらに上級の熟語まで覚える必要があります。