ライティング

英語教師・ばーばらが教える『英検準1級ライティング問題で満点を取る勉強法』

2016年度実施分から実用英語技能検定(英検)で導入されたCSEスコアにより、4技能すべてに等しくスコアが配分されるようになりました。

とくに、スピーキングを除く3技能を測る1次試験では、その突破のためにライティングでいかに高得点を取るかが重要視されるようになってきたのです。

ところが、ライティングの対策はリーディング・リスニングに比べ、後手に回りがち。英文エッセイを書くには時間・労力がかかりますし、そのあとの添削も自分でするとなると悩むことが多いでしょう。

そのうえ、何を・どのようにライティング対策をすればいいのかと迷うかもしれません。

そこで今回のコラムでは、準1級ライティング問題で満点を取った私が、実際の受験勉強で何をしたか、そして、試験本番ではどういった点に気を付けたのかについてお伝えします。

準1級ライティングの出題概要

2004年度から2015年度までの準1級1次試験でのライティング問題は、外国に住んでいる友人からのEメールに対して、その返信を書くというものでした。

しかしながら、2016年度からは1級と同じく、与えられたトピックについて意見を述べるエッセイライティング形式と変更されたのです。

その出題概要は、次のとおり。問題中の指示は、すべて英語です。

・与えられたTOPICについて、エッセイを書くこと
・意見のサポートでは、問題で提示された4つのPOINTSから2つを使うこと
・「序論・本論・結論」のパラグラフ構成であること
・エッセイは120~150語であること

日本英語検定協会の公式サイトで公開された直近3回分の過去問を見ると、準1級ライティング問題は、現代社会に即した話題に対して立場を決め、明快な語彙・文法を使い、論理的に読み手を説得させる力が求められます。

それらの条件に即して書かれた受験者のエッセイは、「内容・構成・語彙・文法」の4観点・各4点で採点され、CSEスコアに反映されます。準1級の場合、観点別得点で満点の16点では、CSEスコアは750です。

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準1級受験時に使用した参考書とウェブサイト

2016年度第1回検定(2016年6月)の受験を決めたのが、4月下旬。出願は締め切り間際でしたし、受験日までの期間も短く、余裕がない学習スケジュールでした。

そのうえ、当時はエッセイライティング形式での出題を踏まえた対策本は、種類があまり多くありません。その頃までに刊行された準1級総合対策本も、ライティングは旧形式の出題を扱っていたのです。

そのような中で、私が準1級受験時に使用していたのが、『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』(植田一三・妻鳥千鶴子著、2004年、ベレ出版)。

スピーキング分野の本ですが、同じアウトプット分野のライティングにも思考法の部分で通ずるものがあります。とくに、読み手を説得させるエッセイを書く素地づくりに有効だったのが、「第3章 論理性を鍛えてアーギュメント力ワンランクUP!」。

この章だけは繰り返し読み、英語ライティングに限らず、日常の言語活動におけるロジカルシンキングの訓練を積み重ねたのです。

さらに、試験対策での最新の情報入手も欠かせません。日本英語検定協会の公式サイトがその中心になりますが、『英検(R) 新試験情報サイト』(旺文社)(https://www.obunsha.co.jp/pr/new_eiken/)も、大いに活用した情報源です。試験対策では、こちらで公開された予想問題でエッセイライティングを練習しました。

満点を取るために気をつけたこと

準1級ライティングで満点を取るために、実際の試験では次の2点に気をつけました。

まず、論理的に言葉で考え、表現するようにしたこと。エッセイライティングでは、序論・本論・結論と整ったパラグラフ構成のもと、読み手を説得させるような意見陳述を行なっていかなければなりません。

そのためには、「Aの立場をとる。なぜなら、このような理由・具体例があるからだ。」というように、明確に言葉で表現していくのです。

次に気をつけたのは、適切な語彙と正しい文法を使うこと。ライティングは問題で与えられた条件に沿って書けるだけでは、満点を目指すには不十分です。

たとえば、同じ英語表現を使っていては、エッセイに冗長性が生まれてしまいます。そうならないためにも、使用する語彙に変化を持たせるのです。文法面の運用では、正確さを高めていくだけでなく、さまざまな文型を使うように気を付けました。

英語ライティングの専門的な研究経験は、準1級受験に役に立ったか

私の大学・大学院での研究分野は、英語教育。その中でもとくに、ライティングを専門的に深めました。

そのような学術活動は、高校非常勤講師・個人講師としての英語学習指導だけでなく、自身の準1級受験にとても役に立ったのです。

どういった場面で役に立ったかというと、まずは試験形式の分析。公式発表のあった例題や旺文社の予想問題を踏まえ、トピックの頻出分野や問題傾向を観察できます。その分析結果は、効率よく学習を進めるための方略を立てる際にも有益だったのです。

また、大学・大学院での学位論文執筆は英語。ライティングの中でも、フォーマルさが要求される場面が多いものです。

試験でのエッセイライティングも、そこまでの高さではないにしろ、正確かつ適切に言葉を運用しなければなりません。そういったシーンで、どのような表現を使えばよいのかを経験則で掴められたのです。

準1級ライティングで満点を取れても、1級の壁は厚い

まず、準1級・1級のライティングトピックについて、質的に違いがあると感じます。

どちらも扱う内容は、社会的な話題。けれども、準1級はどちらかというと国内に目を向けた話題に対して、1級は国内外の関係性にまで及ぶ話題となっているのです。

1級についてさらに言及すれば、直近3ヶ年の出題トピックが現在の世相を反映させたものように思えます。

もう一つの違いは、受験者の論理的思考のレベルの高さにあると思います。準1級では問題文に与えられたPOINTSをもとに、トピックに対する考えをまとめられるはずです。つまり、その分野の予備知識に不安定さがあっても、ある程度形が整ったエッセイが書けるでしょう。

ところが、1級ではそうはいきません。問題文中でのPOINTS提示がなく、受験者自身がその話題に対する知識をもとに、論理の柱を組み立ててエッセイをまとめなくてはならないのです。

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準1級ライティングでの満点は、けっして難しくない

問題傾向を把握し、どういった点に気を付けて書けばいいのかを知り、対策に取り組んでいけば、準1級ライティングで高得点を狙えます。

しかしながら、この分野の学習は地味です。そのような中で思うような進展がなく、気持ちに焦りが出てくるかもしれません。

それでも、どうか粘り強く続けてください。文法・語法の他に、地道なエッセイライティング学習の継続は、きっとあなたの自信につながります。

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編集長からひとこと


近年は英語の検定試験といえば企業が採用や昇進時にTOEICスコアを見ることが増えた結果、TOEIC一色になっていますが、昔ながらの英検の級を取っておくことも決して悪くはありません(履歴書で英語力をアピールするのなら準1級が欲しいところ)。TOEIC730=英検準1級と言われますが、正直2技能のTOEIC(LR)の730よりも4技能の英検準1級合格のほうが大変だと思います。TOEIC向けの勉強をしている方はライティングは特に弱いところなので、TOEICスコアアップにこだわらずライティングの勉強も抜かりなくやっておきたいですね。
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ばーばら

ばーばら

筑波大学大学院修了の高校英語教師、フリーランス翻訳者。大学は教育学部英語科に所属し、大学院では英文ライティングの指導方法を研究していた。現在は英検1級合格を目標に自身の英語学習を続けている。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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