TOEIC990点を狙うのに必須の語彙を身につける単語帳です。重要な部分は赤シートで隠して覚えられるようになっているため、ちょっとした隙間時間に活用することができます。
定義・フレーズ・例文の3パターンの学習方法を提供
学習方法として3つのパターンを提供しており、自分のライフスタイルに合った方法で学習を進めていけます。それぞれ「定義だけを覚える」「フレーズで覚える」「例文を覚える」という段階です。このため、時間がない人は定義だけをさらっと覚え、時間がある場合は例文までしっかりと覚える、という柔軟な使い分けが可能です。
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一杉 武史『キクタン TOEIC TEST SCORE 990』 |
ただ、MP3の音源は基本的に例文まで覚えることを前提としているため、定義だけをおさらいしようとしてもトラックの操作が必要になる場面があるでしょう。加えて記憶の定着率からしても、定義だけではなく例文まで覚えるのが基本的な使い方になるはずです。
語彙レベルは990点を取得したい人向け「ではない」
収録されている語彙は、TOEICで990点を取得するのに必須な単語や熟語ではあるものの、特に高度な単語が取り上げられているわけではありません。そのため、すでに900点を突破している人にとっては、新しい単語と出会うための単語帳として物足りなく感じる可能性があります。
【レビュー】キクタン 英検1級:英検1級合格レベルの語彙力が身に付くアルク社独自のフレーズ型・例文型の単語帳
一方、現在600点〜700点程度、またはそれ以上でさらに上を目指すための基礎作りをしたい、という場合には適しています。TOEICに必要な単語の覚え損ないがないかどうか確認しながら、着実に次のステップに進むための土台を作りましょう。
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一杉 武史『キクタン TOEIC TEST SCORE 990』 |
合計で1120個の単語と熟語を覚えられる
CDを用いて耳で聞きながら、さらに発音練習まで行うことができるため、ただ単語帳を開いて勉強するよりも記憶への定着率は高くなることが期待できます。その上で1120個もの単語・熟語を覚えられるという点で、TOEICで高得点を狙う人にとっての良い支えとなるでしょう。
また、1120個の単語の名詞形や類義語なども掲載されており、それらを活用することで本書だけでも2000~3000個の語彙を増やすこともできます。まずは一度、CDに合わせて1番目から1120番目までの見出し語を覚えます。見出し語が完璧になったら、派生語まで覚えるようにしてみましょう。もちろん、例文の中に知らない単語があったら、それも一緒に覚えるに越したことはありません。
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一杉 武史『キクタン TOEIC TEST SCORE 990』 |
CDにはチャンツ方式と例文方式の2種類のMP3ファイルを収録
CDにはMP3ファイルが収録されているため、携帯音楽プレーヤーやスマホなどでもリスニング音源を利用しやすくなっています。
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一杉 武史『キクタン TOEIC TEST SCORE 990』付属CD(1枚組) |
軽快な音楽を背景に「英単語→日本語→英単語」の順に発声しているチャンツ(Chants)方式と、通常の例文方式の2種類のMP3ファイルがあります。チャンツ方式は例文方式とは別のMP3ファイルに収録されており、好みに応じて選択可能です。なお、テキストにあるフレーズ方式の音源は用意されていないようです。
まとめ
- TOEICで高得点をとるために必須の単語を掲載した単語帳。
- 語彙レベルは現在900点前後の学習者が990点を狙いたい場合にはやや物足りない。
- 大学受験レベル以上の英語力からスタートする場合、適切な単語レベル。
- 耳で聞いて音でも覚えられるため、記憶への高い定着率が期待できる。
確かに、この本のタイトルとしてTOEIC990を謳うのは、やや誇大だと感じます。中級者(TOEIC600~700くらい)がTOEIC860~900超を狙うためのキクタンという感じですね。TOEIC上級の単語帳であることは間違いないけれど、ビックリするほどの難単語は載っていません。例えば、こう書房『TOEICテスト860点突破のための英単語と英熟語』と比べると、明らかに語彙レベルが低いです(こちらは逆に控えめなタイトルですね)。TOEIC系の語彙本はタイトルと実際の語彙レベルが一致しないケースも多いので、注意して選んでください。