小中学校で学んだ算数・数学の知識についての英文を読むことで英語力を育成する参考書です。他の学習書では触れる機会が少ない「数学」関連の語彙を学ぶためにも有用です。
算数・数学の世界と英語を繋げる架け橋のような教材
学生時代、何気なく解いていた算数・数学の問題ですが、あれを英語でやるにはどうやるんだろう?外国の学生はどのように考えて解いているんだろう?とふと疑問に思ったことはありませんか。
算数・数学の問題は世界共通のテーマですし、政治や宗教などの信条が絡んでいないので、実はより多くの外国人と気兼ねなく共有できるテーマといえます。本書は算数・数学の問題、とりわけ小学校や中学校で学習した基本的な問題を英語で解説している英文が収録されています。
![]() |
![]() |
マイプラン『英語対訳で読む「算数・数学」入門』 |
見たこと・解いたことのある問題を英語で簡潔に説明できるようになります。また、脳は複雑な刺激によってより活性化されるともいわれていますので、算数・数学の問題を英語で考える、というのは脳のトレーニングにもなりますよ!
テーマも内容も高校入門レベルの「ちょうどいい」読み物です。
総ページ数は207ページで、新書並みの大きさ・厚さです。
5章構成で単元数は94ありますが、1単元が見開き1ページで完結するので単元数が多くなっているだけなので安心してください。その分、達成のハードルが低いので「教材を進める楽しさ」をたくさん味わうことができます。第1章が算数で、2章以降が数学の考え方になります。
多くの場合が左ページから右ページ上部にかけて考え方やグラフを説明する英文や算数・数学の問題と解答解説の英文、それに必要な図が、そして、右ページ下部にその日本語訳が載っています。英文と日本語訳は1文ずつ通し番号を振ってリンクしてあるのでどの英文がどう訳されているのかは一目瞭然です。
![]() |
![]() |
マイプラン『英語対訳で読む「算数・数学」入門』 |
英単語や英文のレベルは高校1年~2年レベルなので、ある程度の読み応えがあります。算数と中学校3年までの数学が題材になっているので基本的には中学の数学を履修し終えてからの方が確実に理解できるでしょう。章末のコラムはちょっとした英語の長文読解の練習になりますが、算数・数学の面白さを同時に学べる良い読み物となっているのでオススメです。
![]() |
|
マイプラン『英語対訳で読む「算数・数学」入門』 |
算数・数学の得意不得意に関わらず、手に取ってみては?
算数・数学は好き嫌いがはっきり分かれる科目でもあります。小中学校の当時、算数・数学が「普通~やや好き」だった人にはおすすめです。そういえば、こんな問題があったなあと懐かしさを感じながら読み進めることができます。
数学がものすごく得意な人にはもしかしたら取り上げられている算数・数学の問題が簡単すぎて物足りなく感じてしまうかもしれません。が、数式の英語表現方法まで意識をしていたでしょうか?新しい角度での算数・数学への挑戦として取り組んで損はしないでしょう。
逆に、算数・数学が苦手で今も嫌い、という人はいきなり英文に取りくまず、日本語訳や図を見て問題が理解できるかどうか試しに読んでみることをおすすめします。「あれ、意外と分かるじゃん。」となればしめたものです。英文に挑戦してみましょう。
個人的な感想ですが、中学卒業後、高校入学前の春休みに力試しで読んでみる、という使い方もアリです。中学数学の復習と高校入学レベルの英語の予習になりますよ。
まとめ
- 算数・中学数学のポイントを英語で学べるリーディング教材です。
- 算数・数学の得意不得意に応じて、教材へのアプローチ方法を変えると取り組みやすいです。
- 中学数学復習と高校英語入門を兼ねて、ぜひ中学卒業の春に取り組んでほしいです。
TOEICでハイスコアを取得している方でも、数学に関係する語彙はほとんど知らないのではないでしょうか。例えば「連立方程式」は英語で何といいますか?「因数分解」は?「二次関数」はどうですか?いずれも中学レベルの数学用語なので、TOEICに出てこないからと言って知らないというわけにはいきませんね。この本で基礎的な数学用語を押さえておきましょう。