英語の「語順」や「型」から、英文のしくみをつかむ大学入試用の参考書です。100パターンの英語構文を、くわしい解説と問題演習を通して学べます。
『リンケージ英語構文100』では高校英文法を100の構文パターンで学ぶ
旺文社発行『リンケージ英語構文100』は、主に高校生向け英文法参考書です。(同シリーズの準拠問題集として『総合演習ワーク』および『英作文+英文読解ワーク』がありますが、学校専売品のため、一般への販売はありません)
高校で習うレベルの英文になると、「単語はちゃんと調べたのに、文章の意味が読み取れない」ということがしばしば起こります。そういうときは、英語の構文、つまり英語特有の「語順」や「型」に関するルールを意識することが大切です。この参考書は、その「構文」にフォーカスしたつくりになっています。
本文の構成
巻頭の「イントロダクション」では、文型・品詞・句や節など、基礎的な文法用語について短い説明があります。ここで出てくる用語の理解が不十分だと、せっかくの解説を生かすことができません。言いかえれば、「イントロダクション」がスムーズに理解できるかどうかが、この本を使いこなせるか否かの目安となるでしょう。
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戸澤 全崇『リンケージ英語構文100』 |
次に、5章から成る構文解説ページへと続きます。見開き左ページは、例文とその解説です。文の構成要素や意味のまとまりが、ていねいに図解してあります。「STEP1」は基本用法、「STEP2」は応用用法です。「CHECK!」欄には関連表現がまとめてあります。
見開き右ページは、例題「EXERCISES」です。解説を読んだ後に行えば、自分の理解度が測れます。あるいは例題を先に解いてみて、わからないところがあれば左ページの説明に戻る、という使い方もよいでしょう。
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戸澤 全崇『リンケージ英語構文100』 |
巻末には、2種類(英文および文法用語)の索引がついています。辞書的な使い方をして、疑問点を調べることもできます。
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戸澤 全崇『リンケージ英語構文100』 |
別冊として解答・解説集と暗唱例文集を添付
この参考書には、別冊として解答・解説集と暗唱例文集、計2冊がとじ込まれています。例題の答え合わせには、解答・解説集を外して、本編と並べて使うのがおすすめです。
例題1ページにつき解答も1ページ。サイズがそろえてありますので、問題文と解答とを互いに参照しやすくなっています。また、本編・別冊ともにページ上部のセクション番号が大きく表示されており、解答ページを探しやすいのも便利です。
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戸澤 全崇『リンケージ英語構文100』 |
いっぽう暗唱例文集は、本文の例文172本をまとめたものです。見開き左ページに英文、右ページに日本語訳というシンプルなレイアウトで、音読練習にも使いやすいでしょう。約20ページの薄い冊子ですので、持ち歩いてスキマ時間に暗記するのもいいかもしれません。
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戸澤 全崇『リンケージ英語構文100』 |
100パターン学習すれば、着実に力がつく
例題は、和訳・並べ替え・空所補充など大学入試でよく出題される形式をとっていて、実践的な内容です。説明と例題とがしっかりリンクしていますので、効率的に要点をおさえることができます。英検なら2級以上、TOEICなら600以上をめざす層向け。センター試験レベルから難関大学受験まで、十分対応可能です。
大学入試必出の項目を網羅しつつ、100パターンという切りのいい数字にまとめてあるのも、小さなことですがポイントかもしれません。100のうちこれでいくつ終わった、と進度を把握しやすいことは、学習者にとって達成感につながります。100パターン完了めざして、ぜひ取り組んでみてください。 『英語の構文150』は大学入試に必須の英語の構文150本を、3段階・99レッスンでていねいに学べる参考書です。センター試験から国立二次・難関私大レベルまで幅広く対応できます。『英語の構文150 UPG ... 続きを見る
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まとめ
- 100パターンの英語構文を学ぶ、主に大学入試用参考書です。
- 本文は、詳細な説明と例題の二本立てで、理解しやすいつくりです。
- 解答解説集・暗唱例文集が別冊として付属。
編集長からひとこと
私が大学受験生の頃、学校から副読本としてもらった『英語の構文150』にはCDが付いていませんでした(テープが存在するという記述がありましたが)。今では、ほぼどんな学習参考書にもCDが付いているので受験生は幸せですね。例文音声が頭に響くようになるくらいに徹底的に聴きこんで、音読するときは音の記憶をなぞって読み上げてみてください。テキストだけで我流で音読するよりも滑らかに発音できるようになりますし、より強固に英文が記憶に残ります