日本史を題材にして、取り組みやすい基本的なレベルの英文を学習できる本です。高校在学レベルの平易な英文で、長文読解力を養成します。
日本人に馴染み深い「日本史」を使って楽しく英語学習!
いざ英語を学習しよう!と重い腰を上げたところで、「なんだか小難しい話ばかりでつまらない」「正直このネタ興味ないし…」と投げ出してしまう人もいるでしょう。
何気に大切なことが記述されているのですが、自分が興味のないネタで勉強すると絶対に長続きしません。自分が楽しいと思う題材の本で勉強しましょう。例えば、私は検定試験にはあまり興味がないので、問題集等は一切使っていません(笑)
理想を言えば「食わず嫌い」をせず色んな話題に興味を持って取り組んでほしいところですが、勉強開始初期はモチベーションが高いけどちょっとしたことで急降下しやすい時期でもあります。ここはあえて好きな題材やこれなら知っている!というメジャーな題材の力を借りる、というのも良い作戦です。
『英語対訳で読む 日本の歴史』はそんな人たちにおすすめの教材で、「日本史」を題材に英文を学習していくスタイルです。
大多数の人が日本史を小中高で学習しましたよね?歴史好きな人にはもちろんおすすめですが、多くの人が日本史は「かじったことがある」わけですから、「ああこれはこういう表現ができるのか!」という新しい発見を素直に楽しめるはずです。
見開き完結、の初学者でも取り組みやすい優しい構成
『英語対訳で読む 日本の歴史』のページ総数は199ページで、新書くらいの厚さ・大きさです。単元数は91単元と、数でみると多いですが、見開きで1単元が完結するので尻込みする必要はありません。
日本の歴史についての英文が左、その日本語訳が右に掲載された見開きで完結する、読みやすいスタイルです。英文と日本語訳が同じ番号でリンクされているので、英語初心者でも「この文章の訳はこれか!」と正しく読み進めることが可能です。
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中西 康裕『英語対訳で読む 日本の歴史』 |
内容はいわゆる小学校や中学校の歴史の教科書の要約のようなものが多いです。ほとんどのページが「英文―日本語訳」ですが、時々日本語と英語が混合した漫画になっているページもあって単調な感じがせず楽しく学習できます。
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中西 康裕『英語対訳で読む 日本の歴史』 |
文章の難易度は高校1~2年の教科書レベルの英語です。が、歴史の授業で出てきた「古今和歌集」「株仲間」「関税自主権」など、「そういえば英語ではどう表現するんだろう?」というような言葉も平易な言葉で上手く英訳されているのが面白いです。
そういった意味ではどんな層の方でも楽しんで読めるのではないかと思います。歴史の内容は小学校・中学校レベルの日本史なので、マニアックな日本史が分かるわけではないのですが、日本に住むものとして一通りチェックしておきたいレベルは押さえてあります。
高校1~2年レベルの英語をやり直したい!人たちは特におすすめ
すごく難しい!という表現は見当たりませんし、著者も「平易な英語」を心がけて作成した、と書いてあります。英語が得意であれば中学生でも取り組めるように思います。高校1~2年の教科書の文章レベルくらいですので、そのレベルの英語にまず取り組んでみたい!という人は取り組みやすいでしょう。
また、他のリーディング教材に比べて字が大きめですし、「日本史」という題材ですから英語を勉強し直したいシニアにも向いていると言えます。
まとめ
- 日本史の基本を押さえながら英文に触れることができます。
- 全体的には高校基礎レベルですが、歴史学的に重要な単語を英語で置き換える表現を学ぶにはどの学習者層にもおすすめできます。
- 英文と日本語訳が見開きになっている単元と、見開きの漫画の単元の2タイプがあります。
概して高校レベルの語彙で構成された英文ですが、意外と難しい単語・イディオムも含まれています。例えば、rise in arms(挙兵する:Weblioレベル記述なし)、moat(堀:Weblioレベル11)、regency(摂政政治・執権職:Weblioレベル14)、vermilion(朱色:Weblioレベル18)等。TOEICには出てこないかもしれませんが、英文小説には出てくる難単語なので、ちゃんと覚えておきましょう。実際にこれらは私自身小説のなかで見たことがあります。