アルク発行の単語帳『キクタン』ファミリーのうち、長文も学べる「リーディング」シリーズ最上位版です。
長文つき「リーディング」シリーズの最上位版
『キクタン』シリーズは、チャンツと呼ばれるリズミカルな音楽を使って、効果的に単語を覚えられるとして人気です。レベル・用途別に多数のラインアップが揃っており、総称してキクタンファミリーと呼ばれています。その多くは単語集としての用途がメインですが、「リーディング」シリーズは、長文も掲載しているのが特徴です。
長文には、ターゲットである重要単語が散りばめられた状態になっています。したがって、語彙を学んだあと長文に取り組めば、「さっき学んだあの単語だ」と、自然と思い出すことができるというわけです。コロケーション(語の配列ルール)についても意識しやすいですし、長文のエピソードによって、単語のイメージもより強く記憶に残るでしょう。
書名の数字「12000」は、掲載単語数ではなく、SVL(Standard Vocabulary List:標準語彙水準)に基づいています。SVLとは、アルクが蓄積してきたデータなどをもとに選んだ、重要語彙のリストです。日本人学習者にとって有用と思われる12000語が1000語ごとにレベル1~レベル12に区分され、レベル12が最上位ランクです。
本書には、このレベル12の単語も含め、中堅私大~超難関大学受験に必要な720語が収録されています。利用対象としては英検でいえば準1級を狙うレベル、TOEICなら少なくとも600以上の層が目安となるでしょう。なお「リーディング」シリーズには、下位版の『Entry 2000』『Basic 4000』『Advanced 6000』などがそろっています。
1日分4アクションの学習で活用できる
1日分の学習は、Check1 ~Check4までの4アクションで構成されています。まず見開き2ページにCheck1(語彙学習・チャンツ)として、単語12個が発音記号、意味、品詞、例文とともに提示されます。
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アルク『キクタン リーディング Super 12000』 |
次の見開き2ページはCheck2(長文を読む・聞く、訳を確認する)とCheck3(解説を読む)、最後のCheck4は仕上げのリスニング、シャドーイングです。1日12語×12週間でマスターできるように設定されており、毎日無理なく取り組める分量となっています。
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アルク『キクタン リーディング Super 12000』 |
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『キクタン リーディング Super 12000』付属CD(1枚組) |
※長文パートの読み上げ音声にはBGMはついていません。通常のリスニング素材として使用できます。
バラエティに富んだ内容の長文、ぜひ音読を
掲載されている72本の長文は、身近な生活の話題から学術的なトピック、国際問題など入試必出のテーマを幅広くカバー。長文にはスラッシュマークが入っているので、意味のまとまりを意識しやすくなっています。
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アルク『キクタン リーディング Super 12000』 |
どの文章も、2分程度で音読できるコンパクトな長さですから、ぜひくり返し音読をしてみてください。CDの音声を聞くだけよりも、声を出して読むことで、さらに記憶の定着がよくなることでしょう。
まとめ
- リズムを使って単語を記憶できる『キクタン』のリーディング向け最上位版です。
- 対象レベルは中~上級。英検なら2級~準1級以上が目安です。
- 720個の単語を長文とともに学び、理解を深めることができます。
本家『キクタン』と比べるとマイナーな単語帳ですが、かなり良い本です(隠れた名作の予感…)。100語~150語程度の「短め」の長文に見出し語をたくさん含めることで密度を高くして、学習効率を高めています。英文は他の長文型単語帳と比較すると、一般的な内容で理解しやすいものですね。ただ、SVL12000のレベル6~12から720語というのは、ちょっと少な目かなあ。特に英検1級合格者でも知らない単語があるレベル11~12の単語が少ないですね。この『キクタン リーディング Super 12000』を複数巻用意して、レベル6~12の単語を網羅してくれると嬉しいんですが(笑)