TOEIC L&R TESTのパート1・2対策用に書かれた問題集です。『新TOEIC TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』の増補版となります。
パート1・2の難しい問題を数多くこなしたい学習者向け
新形式のTOEICテストは、Part 1の問題数が6問、Part 2の問題数は25問と旧形式のテストに比べそれぞれ4問、5問少なくなりました。
旧形式のようにPart 1が重要視されてはいないものの、近年は難しい問題が出題されるようになり、全問正解が当たり前だったPartからTOEIC慣れしていないと間違ってしまうPartになったと著者は前書きで分析しています。
Part 1は問題数が少なくなったからと言っておざなりにするのではなく、取りこぼしを無くす姿勢が重要であると言えるでしょう。
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森田 鉄也『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』 |
また、Part 2では質問に対して間接的な受け答えをする問題の割合が増えたため、なるべく多くそのような問題を盛り込んだとも述べています。問題の内容からこの問題集に取り組むべき学習者の対象レベルはTOEICスコア470点以上と推定します。
パート1・2の最新傾向を反映した難易度の高い問題をコンパクトなサイズで、しかも1000円以下の値段で数多く解けることから、TOEIC慣れをしたい学習者にとっては非常にお買い得な問題集となるのではないでしょうか。
難問を解くための鍵は場面を明確に想像できるかにある
新版で新たに追加された問題が「Part 2 難問ドリル」です。
著者自身も痛感したようなのですが、かなりレベルの高い問題を解くにあたっては会話が行われている場面をきちんと想像することが重要とのことです。
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森田 鉄也『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』 |
確かにしっかりと場面が想像出来ていないときは、会話の流れを見失い、ただ聞き流すだけで終わってしまって適当に答えをマークするということが私自身の経験でもよくあります。
簡単な問題の場合は疑問詞さえ拾えれば正答を選べることが多いですが、難しい問題になればなるほど、それが困難になるでしょう。TOEIC慣れしていない学習者にとっては、場面をしっかりと想像することは容易ではないでしょうが、ドリル10単位を全て解いて復習したうえで、「Part 2 難問ドリル」に臨めば以前よりは簡単になっているはずです。
たとえ間違えたとしても難問ですから落ち込む必要はなく、ドリル10までと同様の詳しい解説を読み、繰り返し問題を解くことが重要です。そして、本番では似たような問題と出くわしたときに間違えないようにすれば良いでしょう。
必勝コラムでテクニックを学ぼう
9ページと各ドリル終了後のページには著者のコラムが掲載されています。内容は本試験で即役に立つテクニック集のようなものになっており、12回分あります。
「否定疑問文と付加疑問文はただの疑問文に変える」や「WH疑問文・選択疑問文にはYES/NOで答えられない」、「受け身の進行形」、など問題のタイプ別に焦点を当てたテクニックだけでなく、「あきらめる勇気を持つ」や「消去法を使う」といった問題そのものとは関係ない部分での解答への姿勢など非常に参考となり充実したものとなっています。
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森田 鉄也『TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』 |
本番で迷う問題に出会ったときに、上記のテクニックを身に付けていることで正答率を高められる確率がアップするため、学習者は是非とも身に付けておくべきでしょう。
まとめ
- パート1・2の高難易度の問題を集中的に解くことができる本です。
- ドリルの問題を順に解くことで場面を明瞭に想像するための力を身に付けられます。
- 必勝コラムで実践的なテクニックが学べます。