『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』は、大学入試問題を題材とした英作文の参考書です。「ドラゴン・イングリッシュ」でおなじみの竹岡広信氏の長年にわたる指導歴から編み出された、有益な学習素材が豊富に提供されています。
『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』の紙面構成
大学入試の英作文問題を解くうえで必要な60の「原則」と67の「頻出表現」を扱っています。本編の解説は要点が絞られており、すっきりとした紙面構成です。読み手のアクセスのよさを考え、各Lectureの類題解答は別冊子にあります。
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竹岡 広信『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』 |
英語表現の定着を強化させる仕掛け
「原則」には、大学入試の英作文問題で頻出する英語表現がまとめられています。その提示は、英語・日本語の対訳が明確です。一対一対応で整理されているため、英作文でよく使う表現が記憶に定着しやすくなっています。学習がさらに発展すれば、英語表現のバリエーションが増やせるでしょう。
一つの誤答例に対して、典型的な誤りを4~5か所を挙げています。これらの細かな指摘は、学習者の注意を引き付けるだけではありません。英語表現の定着度を高めてくれる役割も担っているのです。
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竹岡 広信『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』 |
理解度を確認するための類題
各Lectureには、類題があります。類題は、一つの原則につき1題です。本編で学習した「原則」が理解でき、使えるようになっているかどうかを確認するために、類題には最低限のヒントしかありません。解説も、あっさりとした内容となっています。中堅・難関大学の入試に対応できる英文法をマスターした方であれば、独学で取り組められるでしょう。
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竹岡 広信『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』 |
豊かな英語表現を定着させたいための一冊
大学入試英作文問題によく出る英語表現を、日本語の対訳を付けて提示したことが特徴的です。日本語で伝えたい内容を、英語でも十分に伝えられる力を身に付けたい方にとって、学習の助けとなるでしょう。そして、取り上げられた英語表現の数も豊富です。英語表現の引き出しを増やしたい方にも、満足のいくものとなっています。
まとまりのある英文を書くための技術を学びたい方には、もの足りなさを感じさせるかもしれません。けれども、明確な対訳での英語表現の提示は、文レベルでの正確さを高める効果が期待されます。ご自分の英作文の練習段階に応じて、取り組んでみてはいかがでしょうか。
大学入試英作文問題での重要表現が中心であるため、使用される語彙・構文は高校で学習する基本的な内容です。例題・類題に対する解説は、要点が絞られているものの、「なぜその表現になるのか?」という点に深く踏み込んでいません。
したがって、独学で本書に取り組むには、TOEICテスト550点以上、もしくは英検2級以上の英語力が求められます。
例文暗記・リスニング学習用のCDが付属
日本語の箇所と英文を読み上げたCDです。本来、リスニングCDの価値はネイティブスピーカーが発音した英文を聴けるという点にあるはずです。「原則〇」や各例文の日本語訳の発音まで収録しても、聴いている時間がムダになるだけではないでしょうか?
英文のみの音声ファイルをWebサイトからのダウンロードサービスで提供するなど、なんらかの配慮が欲しいところですね。
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竹岡 広信『竹岡広信の英作文が面白いほどかける本』付属CD(2枚組) |
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まとめ
- 大学入試を題材とした、豊富な英語表現を身に付けるための英作文教材です。
- 例文と対訳で、英作文での重要表現を記憶に定着させます。
- 類題での発展的な学習で、英作文でよく使う表現を習得できます。