自然科学を題材としている長文型単語帳です。各専門分野の入門レベルに相当する知識と関連する英単語を収録しています。
専門的な自然科学を無理なく英語で学習!
Z会出版の英単語帳はたくさん出ていますが、その中でも密かに支持を集める『テーマ別英単語 ACADEMIC』シリーズの中級レベル、自然科学編です。
初級よりも内容に深みが出て、英文としても日本語の文章としても読み甲斐がパワーアップしています。上級編と文章量はさほど大きくは変わらないのですが、中級編の内容は上級編で取り扱うより専門的な知識の導入にあたるのが特徴です。
上級編のようなより専門性の高い文章にいきなり挑戦して挫折してしまうことを防ぎ、まずは入門的な知識や考え方を押さえることでアカデミックな英文に順応することができます。
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TOEIC800以上推奨、他の階級も検討してほしい
設定されている難易度は説明書きから「TOEFLの受験者」「修士課程が始まった人」などとなっています。原則としてはTOEFL向けの書籍なのですが、敢えてTOEICに換算すれば最低でも800以上を取得している学習者が対象でしょうか。
『テーマ別英単語 ACADEMIC』シリーズには初級編と上級編もありますので、一度店頭で読み比べてみて、「お、このレベルはやりがいがありそうだ」と感じたものを選択する、というのもおすすめしたいです。
【レビュー】テーマ別英単語 ACADEMIC 初級:「初級」とは英語初級ではなく専門英語の初級という意味です
Z会出版系の単語帳に共通する、多彩な学習を可能にするレイアウト
全体で257ページあり、6章で構成されています。
各章の流れは「その章で紹介される分野において知っておくべき背景知識解説」⇒「ピックアップすべき単語」⇒「その単語を使用した英文とその和訳」⇒「扱った分野でさらに深めるべき背景知識」⇒「その章で扱った分野に関連するその他英単語一覧」というものです。
まず、背景知識の解説があります。ここは、英文を読むために事前に仕入れておくべき知識を丁寧に解説していますので、じっくりと読んでください。
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中澤 幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC 中級 自然科学編』 |
次に、長文を読む前に重要単語(連語)を一通り理解しておきます。重要単語は、この本が単語帳としてリスト化しているものです。
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中澤 幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC 中級 自然科学編』 |
見開き2ページの英文と日本語訳を使って、長文読解を行います。先に重要単語に一通り目を通しているため、読解しやすいのではないでしょうか?
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中澤 幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC 中級 自然科学編』 |
さらに、その章に関係する専門用語を通してテーマを深掘り学習します(日本語)。
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中澤 幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC 中級 自然科学編』 |
単語帳、和文英訳・英文和訳の題材、読解の題材など、利用者の目的に合わせて色々な使い方が可能となっています。ACADEMICシリーズは他にもありますがそれらと同じ形式の構成です。
語学専用プレーヤーを使ってディクテーションを効率化
現役医学生・諏訪部麻里子の『かゆい所に手が届く!ディクテーション勢は必見すべし!』
主にお勧めしたい対象は「理系の院生」さん!
私がこの本に出合ったのは大学受験の後期試験を控え、志望校の過去問に飽きてきた時でした。
私の志望校は試験問題に理系の内容の英語論文を出題する傾向にあり、過去問以外でそのようなレベルと内容に触れられる分かりやすい参考書を探していました。
『話題別英単語 リンガメタリカ』という、同著者の単語帳も愛用していたのですが後期入学試験で問われる文章の量が大きく上回っていて、もう少し難易度が上がって長い文章が載っている単語帳はないかな?と思っていた時に出会うことができたのです。
【レビュー】話題別英単語 リンガメタリカ:最難関大学合格も十分に射程となるZ会長文型単語帳の隠れた名作
単語帳としても、難易度の高い理系の英語長文問題集としても優秀な教材です。形式が他のZ会出版の単語帳(『リンガメタリカ』『速読英単語』)に似ているところがあり、同書を使っていた人にはよりとっつきやすい仕様だと思います!
まとめ
- 学問において各理系分野の入門レベルに相当した専門知識やそれに関する英単語を学習できる単語帳です。
- 既刊のZ会出版の単語帳をふまえた、長文とともに単語を学習できる形式が特徴です。
- 大学院生修士課程など、英語論文に触れる機会が増え始めてきた人の、英語力アップにおすすめ。
検定試験なら、海外では一般的な「TOEFL」の対策に向いた単語帳です。日本で主流の「TOEIC」しか勉強していない学習者は、内容、語彙ともにびっくりするほど英文が難しいと感じるのではないでしょうか?「ハイゼンベルクの不確定性原理(量子力学)」「アインシュタイン小伝」など、理系出身者にはたまらない話題がてんこ盛りの良書です。理系学部を目指す大学受験生が使ってもよいですが、最難関大でも『リンガメタリカ』『速読英単語 上級編』で割と充分なので、完璧を目指すなら…といったところですね。ちなみに、阪大・名大・東北大(地方旧帝大)の理工系学部の受験者には明らかに重すぎです…!こんなに難しいのやらなくても合格できるよ(笑)