基本的な単語を用いたイディオム(定型句や決まった言い方)の中でも、特に用いられることが多いイディオムを解説した本です。
難易度の高い英単語を覚えている人でも、意外とイディオムはノーマークということが決して珍しくありません。そんな『取りこぼしたイディオム』を学ぶのにも良い本であると言えます。
どのようなイディオムなのかの解説が詳しい
ただ単にイディオムを量的に説明しているだけでなく、解説もかなり細かいものとなっています。暗記的にイディオムを覚えるのではなく、どうしてその単語の集まりがその意味になるのか、というところを芯から理解できるようになっているのです。
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日向 清人『英語はもっとイディオムで話そう』 |
また、「使えるようにして覚えておくべきイディオム」と「言われたら分かるようにしておけば良いイディオム」の区別が付けられており、効果的な学習をすることも可能です。加えて「特によく使うイディオム」もあり、これは600万語のデータベースから得られた特に重要な表現とされています。
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豊富な例文と言い換え例で倍近くの表現を学べる
それぞれのイディオムには例文が載っているので、実際にどのような文脈で用いられるのかといったことを確認することもできます。さらにイディオムの言い換え例も記載されているため、実質的には倍近くの表現や言い方を学ぶことができると言えるでしょう。
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日向 清人『英語はもっとイディオムで話そう』 |
基本的な文法は省略されており、試験対策には向かない
紹介されているイディオムに含まれる単語はそれほど難しいものではありませんが、例えば文型や関係代名詞などの文法については省略されています。そのため、ある程度英語を勉強した人が、さらに広い表現を身につけたい、あるいは口頭での言い方を学びたい、といった場合に役立つ本と言えそうです。
逆に言えば、受験や試験目的で読む本としては内容が噛み合わないところもあるでしょう。より実践的、口頭的な表現として学習するのに向いている本です。
説明自体は簡潔にまとまっていて読みやすく、どこでしおりを挟んでも次に読む時に支障になるようなことはありません。特に仕事で英語を使うような方は、出勤途中にでも本書を読むだけで一つ上のグレードの英語を使えるようになります。
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まとめ
- 特に会話などで頻出するイディオムを学習する本。
- 単語レベルは高くないが、基本的な文法事項などが分かっている人向き。
- 試験や受験対策ではなく、コミュニケーションとしての英語を学習する上で真価を発揮する。
実際の英会話では「必修編」ともいうべき利用頻度が非常に高いイディオムばかりを集めています。大学受験レベルのイディオムを一通り学習したひとなら、すでに知っている表現も多いのではないでしょうか?ただし、読んで理解できるのと話したりするときに使えるのは別問題なので、音読を通して各イディオムをスピーキングで使えるように習得していきましょう。