最難関の英語試験を受けて、東京外国語大学に現役で合格した私ですが、特別な環境に生まれ育ったわけではありません。帰国子女でもなく、都会の有名私立高校に在学していたわけでもありません。
そんな私でも、高校2年生から一念発起して勉強した結果、志望校に合格できたのです。日本人でも英語は努力次第で習得することができます。そんな私の勉強法をご紹介していきます。 現代の大学入試では英語の配点が高くなっています。国公立大学文系であれば大体の大学で二次試験は英語と国語・数学の配点が同程度ですし、私立大学文系であれば英語に他の科目の1.5倍~2倍程度の配点が割り振ら ... 続きを見る
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ごく普通な高校生だった私が英語に興味を持つ
私は地方都市で生まれ育ち、公立高校に進学しました。高校1年生までは、特段英語の成績がよかったわけではありません。成績は真ん中くらいで、目立つ存在ではなかったのです。高校の英語の授業は、教科書の英語を日本語に1文1文訳していくだけの単調なものでした。
ちょうど高校2年生になった頃、ハリウッド映画や洋楽が好きだった私は、英語で映画や音楽をそのまま理解したい、英語で外国人とコミュニケーションを取りたいと思うようになりました。小さなきっかけでしたが、その時のモチベーションが、私の語学学習の原点だったと振り返っています。
NHKラジオ英会話とシャドーイング
私がまず始めたのが、NHKラジオ英会話です。NHKラジオ英会話は、私の英語力の原点であり、リスニング力、語彙力、文法力、スピーキング力の全てにおいて、これほど安価で効果が高い教材は他にないと断言できます。
私の場合、ラジオをライブで聴くのではなく、過年度分の放送を1冊にまとめたCD-BOOKを購入しました。マーシャ・クラッカワー先生が担当したうちの2年分『まるごとラジオ英会話』と『たっぷりラジオ英会話』のCDを何度も聞きながら、ひたすら音声に続いて声に出すというシャドーイングを集中的に行いました。効果はすぐに現れ、今までは苦手だった文法問題も、構文的にこの品詞しかあり得ないと、自信を持って答えられるようになったのです。
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英会話学校に通う
当時は、駅前留学が流行していたこともありますが、両親に無理を言って、英会話学校に通わせてもらいました。今でも金銭的に負担の大きい英会話学校に通わせてもらえたことに感謝をしています。そこで普通にレッスンを受ける以外に、自分でも工夫したことがあります。それは、毎回英作文を1枚書いていき、ネイティブの先生に添削してもらうということです。
テーマは何でもありで、とにかく書いては直されということを何十枚も繰り返しました。英作文というのは、参考書を読んだからと言って書けるものではありません。文法や語彙の知識を組み合わせて、文章を作るという練習を大量に行うからこそ実践的に書けるようになるのです。
お気に入りの予備校講師を見つけよう
当時は、代々木ゼミナールの衛星講義で今井宏先生の講義を取っていたこともあり、『今井の英文法入門』『今井の英文読解パラグラフリーディング』を中心に勉強しました。今井宏先生の参考書によって、どんな難解な英文でも、構造さえ把握できれば読破できるということを学び、どんな長文が出てきても、ひるまずに読み進めることができるようになりました。
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今井宏先生は私のお気に入りの先生であり、こうした良き指導者を見つけられたことも幸運でした。NHKラジオ英会話の音読、英会話学校での会話練習と英作文、今井宏先生の英文法と長文読解の訓練によって、私の英語力はみるみる伸びていき、英語だけなら全国の統一試験でも上位にランクインするまでになっていったのです。 東進ハイスクール・東進衛星予備校の講師である今井宏氏による、英文法教材です。原則として大学受験生向けですが、社会人にも大いに役立つ本です。 かつて代々木ライブラリーから出版されていた『今井の英文法入門 ... 続きを見る
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東京外国語大学の英語試験
東京外国語大学の英語試験の特徴は、①超長文が出ること、②日本語できちんとした説明を求められること、③リスニングがあること、④英作文があることの4つです。生半可な英語力では太刀打ちできないレベルであり、総合的な英語力が求められることになります。
受験勉強の最終段階になると、過去問を全てやり終え、あとは演習のみという段階です。毎日高校の図書館に通い、他の大学の入試問題をコピーして制限時間内に解いていきました。少しでも難しそうな大学の英語試験を選んで率先してやることで、どんな問題が出ても慌てない精神面を鍛えることができました。
英語力は共通
大学入試には、過去問で問題形式に慣れることが重要です。TOEICテストで高得点を取るには、正答を導くテクニックというものが存在します。しかしながら、高校生の段階で小手先のテクニックに走るのはおすすめできません。英語力の伸びしろが大きい時期に、できるだけたくさんの英語を聞いて、自分で話し、読んで書くことが何よりも最良の学習法なのです。
私が東京外国語大学に現役合格できたのも、英語学習のモチベーションがあったこと、良い教材に出会えたこと、良き指導者を見つけられたおかげです。英語学習に近道はなく、地道な努力こそが最短の道だということを感じた受験でした。 高校3年9月の時点で総合偏差値30台後半、英語は40台程度 私は上智大学法学部国際関係法学科と法律学科に一般入試で合格しましたが、特に成績優秀な高校生だったわけではありません。高校入学後勉強をほとんど ... 続きを見る
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