京都大学入学試験の英語にて問われる、「和文英訳」をどのように解くかということに焦点をしぼった最難関系の英作文参考書です。
癖が強い和文英訳も、もう怖くない!
京都大学の和文英訳の大問では癖の強い問題が毎年出題されるため、この分野が得意か不得意かで点数に大きく差がつきやすいと言われています。
ただ、難しすぎるがために、イマイチ学習方法が分からないまま過去問を解いたところで模範解答を写して無理やり納得して次にいきやすいのも事実です。本書では京大の和文英訳を丁寧に解説し「次に、ひいては本番に出会った時にどうすればいいか」を整理して学ぶことができます。
憧れの京都大学志望者から、英語学習に燃える下級生まで
京都大学の英文和訳をテーマにしていますので、最難関大学の二次試験に通用する力を養うことが目的である学習参考書です。
中を見てもらうと分かりますが、京都大学の英訳対象の和文は普通に「日本語として」読んでも難解なものもあり、「どうやってこれを英語にするんだ…」と呆然としてしまうようなものも少なからずあります。
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小倉 弘『京大入試に学ぶ和文英訳の技術』 |
確保できる勉強時間が限られている大学受験学年の生徒さんで利用を考えている人は、自分の志望校の傾向をよく調べてから利用することをおすすめします。
※このような和文英訳は、「大学から受験生へのメッセージのような意味合いが強い」という都市伝説(?)を信じ、私は京大の和文英訳を面白がりながら解いていました…。京大志望でなかったからこそ、より気楽に楽しんで解けたのかもしれません。
1セクション1問の学習しやすい構成が魅力
319ページあり、7章で構成されています。
文法や構文の視点から問題へアプローチしている第1章から第4章と、京都大学頻出の「こなれた日本語表現をどう英語で表現するか?」ということに視点を置いた第5章から第7章の大きく2パートに分けることもできます。
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小倉 弘『京大入試に学ぶ和文英訳の技術』 |
各章はいくつかのセクションを含み、1セクションごとに京都大学の和文英訳1題を取り上げています。セクション数は全章を通して80あります。
セクションの流れは課題文→必須文法→表現研究→英訳例となっています。1問1問を丁寧に分解して理解を深めていきます。表現研究では数パターンの書き方を常に比較しているところが筆者の参考書の特色であり優れた点と言えます。
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小倉 弘『京大入試に学ぶ和文英訳の技術』 |
自分が苦手意識を感じるパートからやるもよし、最初から愚直に文法や構文での英語表現を確認するもよし、です。また、ところどころに文法に関連したコラムがあります。
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小倉 弘『京大入試に学ぶ和文英訳の技術』 |
受験生はライバルに差をつけるため、下級生は実力テスト上位を狙おう!
京都大学志望者はこの和文英訳が英語の問題の大きいパートを占めているのはご存知だと思うので、ぜひ対策用に使ってみてほしいです。
他に、京都大学のような高度な意訳を求める入試問題を出題する傾向にある大学がいくつかあるので、自分の志望校の英語の出題傾向を確認してみましょう。
私が京大英語に触れたきっかけは校内の実力テストの得点力アップだったのですが、その意味で利用するのもアリです。
まとめ
- 過去の京都大学入試問題の和文英訳をもとに、どのように英文を書けばよいか?という表現スキルを学ぶことができます。
- 表現研究では数パターンの英語表現方法が記載されているので実戦的な意味で非常に参考になります。
- 京都大学志望者はもちろんですが、英作文の能力を思い切りアップさせたい(まだ受験まで時間のある学年の)高校生にもおすすめです。