語源とイメージの力を借りて単語の使い分けがよくわかる、類義語のバイブルのような参考書です。ニュアンスの違いを理解する助けになります。
類義語(似ている単語)の違いを詳細に学べる
英語を学んでいると、似たような意味を持つ複数の英単語に出会うことがよくあります。「look」と「see」、どう違うのだろう?「listen」と「hear」は?…そんなふうに悩んだこと、ありませんか?そうした疑問にこたえてくれるのが、この『似ている英単語使い分けBOOK』です。
たとえば、「笑う」を意味する英語は「smile」「laugh」「giggle」…などさまざまな単語があげられます。その笑い方が「にっこりとほほえんだ」のか、「声をあげて笑った」のか、それとも「クスッと笑った」のかによって、ふさわしい英単語は違ってくるわけです。この本では、そうした疑問に対し非常にていねいに説明を試みています。
こうしたことは辞書でも可能ですが、個々の単語について辞書を引き、用例を読みこんで判断するのは手間も時間もかかります。この本では意味ごとに類義語をまとめて紹介し、そのエッセンスの部分を扱っていますので、語の比較・対照がしやすいというのが最大のメリットでしょう。
動詞・形容詞・名詞ごとに説明
この本は、2001年に発売された『似ている英単語使い分けBOOK』をもとに、既刊のシリーズをまとめたパーフェクト版です。動詞編、形容詞・副詞編、そして名詞編の3章構成で、合計127の項目について説明をしています。
各項目の冒頭で「適当な単語はどれでしょうか?」という例題がまず提示され、その後、それぞれの語句についてこまやかな説明が続きます。語句のイメージを表現したシンプルなイラストが使用されており、直観的にわかりやすいつくりになっています。説明を補足する例文も豊富ですし、コロケーション(単語どうしの適切な組み合わせ)についてもくわしく説明されています。読解はもちろん、英作文などアウトプットの際にも助けになることでしょう。また各項目に「語源ポイント」というコラムも挿入され、語源に関する豆知識も知ることができます。
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清水 健二『イメージと語源でよくわかる 似ている英単語使い分けBOOK』 |
紹介されている単語は、come, goなどごく基本的なものから、英検準1級以上の難しい単語まで幅広く取り上げられています。基本的にやさしく書かれている本ですが、例文を読んで理解するためには、少なくとも中学英語修了程度、英検なら3級もしくは準2級くらいの力がほしいところです。
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清水 健二『イメージと語源でよくわかる 似ている英単語使い分けBOOK』 |
また、とくに初級者を指導する立場にある人(教員・塾講師など)にはぜひ読んでいただきたい本です。たとえば生徒から「bigとlarge、どう違うのですか?」と聞かれたとしましょう。自分では使い分けのイメージがつかめていたとしても、誰かに教えるとなると、とっさに明確に言葉にするのが難しいことがあります。この本では、初級者にもわかるようかみ砕いた説明を用いていますので、きっと参考になるはず。辞書といっしょに手元に置いて、副読本のように使いたい本です。
まとめ
- 似たような意味を持つ英単語の使い分けについて学べる本です。
- ていねいな説明、豊富な例文と、シンプルで直観的なイラストが特徴。
- 中学英語レベルをクリアした人や、指導する立場にある人におすすめです。