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翻訳者・堂本秋次が教える『大学で英語を専攻していても難しい「可算名詞」と「不可算名詞」の使い分け方』

質問

英語は大学でも専門的に勉強していましたが、いまだに不可算名詞のことがよくわかりません。

ケーキ、アイスクリーム、肉、チーズなど(可算名詞が入ってたら申し訳ありません)、日本語だとどのような形状でも大体「一つ、二つ」と数えられると思いますが、英語の場合は a peace of や a slice of を使ったりいまいちよくわかりません。

例えばケーキの場合、Can I have two cakes? とは言えないのでしょうか?可算名詞、不可算名詞の定義から今一度説明していただけないでしょうか。宜しくお願いします。

回答(堂本秋次)

可算名詞と不可算名詞の使い分けとしては、やはり基本的に「数えられるかどうか」や「数える必要があるかどうか」というのが問題になります。ただ、日本語では数えられるものも英語の感覚では数えられなかったりして、難しいところですね。

不可算名詞にも幾つか種類がありますが、ここでは食品に関する不可算名詞について説明しましょう。

基本的に、料理の(あるいは何かを作るための)材料となるようなものは、不可算名詞として扱われる傾向にあります。それは、料理を作るために、その材料は「切られた塊の数」や「計量された分量」で表されるからです。牛肉300gという表現があるからこそ、beef それ自体は不可算名詞なのです。言い換えれば、beef は計量して用いられるため、それ自体では「数える必要が無い」と考えられるのです。

この感覚は、furniture(家具)が不可算名詞である理由とも関係あります。かつて furniture という言葉が使われていた頃、家具を移動させたりするのは家来の仕事であったため、家主はそれを数える必要がなかったのです。

ちなみに、Can I have two cakes? と言うことはあります。ただしこの場合、cake は1ホールの大きな状態のケーキであり、ショートケーキの状態のそれではありません。これは、英語圏の人にとってはケーキと言えば丸い状態のものが前提であることが理由になっています。

そのほか、例えば beer は液体なので不可算名詞ですが、可算名詞でも通じることがあります。バーなどで、瓶でビールを提供している場合(サーバーで提供してない場合)、I want 2 beers, please. と言っても通じることでしょう。このように、不可算名詞が可算名詞的に用いられることもあるため、その名詞が可算なのか不可算なのかを決めるのは状況による、と言うことができそうです。

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堂本秋次

堂本秋次

実務翻訳者、プロマジシャン。英検1級、国連英検A級、TOEIC965を保有。大学時代は、ネイティブスピーカーの教授の指導のもと、言語学を専攻していた。医学、自然科学等を専門とする多芸多才な翻訳者。 詳しいプロフィール / 記事一覧

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