昨今の自学自習ブームを受けて、英語のリスニング学習を教材レベルではなく、再生機器レベルで効果・効率を高める「語学用プレーヤー」の需要が高まりつつあります。
「語学用プレーヤー」って何?教材じゃないの?と思うかもしれませんが、簡単に言えば「従来のCD/MP3プレーヤーを語学学習向けに特化した再生機器」で、現在少数ながら各メーカーから販売されています。
これまでにない新しいジャンルの製品なので、何がメリットなのか、どうやって使うものなのか、理解しにくい部分が多いのではないでしょうか?
今回のレビューでは、Panasonicの語学学習機『SL-ES1』(専用機器)とParolesの語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』(PCソフト)を徹底比較し、おすすめポイントを検証していこうと思います。
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→語学学習機『SL-ESL』の製品情報(外部:Panasonicサイト)
→語学専用プレーヤー『まねっこ倶楽部』の製品情報(本サイト)
もくじ
- 基本コンセプト:リスニング学習の効果・効率を高めるCD/MP3プレーヤー
- 観点①:聴きたい箇所にすぐにアクセスできるか?
- 観点②:シャドーイング・リピーティング向け機能
- 観点③:発音を改善するための機能
- 観点④:音声速度変換の性能
- 観点⑤:聴きたい部分を繰り返し再生するA-Bリピート機能
- 観点⑥:ディクテーション向け機能
- 観点⑦:携帯性・利用対象者・価格
- 総評
基本コンセプト:リスニング学習の効果・効率を高めるCD/MP3プレーヤー
語学用ではない従来のCDプレーヤーは「汎用性」を重視して作られている製品です。
主に「音楽CDを聴くこと」に使用されてきた機器ですが、もちろん「語学学習CD」でも「オーディオブック」でも「落語CD」でもCDであれば何でも再生できます。
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逆を言えば「ただCDを再生して音を鳴らす」だけのシンプルな機器なので、語学学習に特化した便利な機能は搭載されていません。
例えば、語学学習では聞き取れない箇所を何度も聴いて理解しようとしますが、従来のCDプレーヤーでは「聴きたい箇所に素早くアクセスする」ことはできません。
また、シャドーイングやリピーティング、ディクテーションといった、学習効果の高い勉強法を実践しようとしても、機能が少なすぎてやりにくい、難易度が高い、面倒臭いと感じることが多々あります。
Panasonic『SL-ES1』、Paroles『まねっこ倶楽部』は、両者とも語学リスニング学習の効果・効率を飛躍的に高めることが基本的なコンセプトとなっています。
ただし、異なるメーカーが開発した製品であるため、「語学用」と銘打っていても機能がかなり異なっています。以降では、観点別に各製品の特徴・機能差を比較していきます。
※両製品とも「英語」専用というわけでなく、どんな外国語のCD(中国語やフランス語、外国人にとっての日本語)でも再生できますが、以降の記事では分かりやすさのため「英語学習CD(英語参考書に付いてくるCD)」を想定して記述しています。
次の記事:
観点①:聴きたい箇所にすぐにアクセスできるか?