『DUO 3.0』は、英単語が重複しない例文で単語・熟語を覚えてゆく人気の単語帳です。旺文社『英単語ターゲット』のように1単語1例文型の単語帳が苦手な学習者でも、効率的に単語を習得できます。
『DUO 3.0』の概要:トピック語彙以外に同義語、類義語、対義語の収録が充実
『DUO 3.0』の対応範囲は、イントロダクションの部分に英検準1級まで、TOEICスコア600~780、TOEFLのiBT方式で60~90点(CBT方式で170~230点相当)となっています。
収録語彙は英語圏の英文データベースや英英辞典、ネット上での事例等の膨大な分析を基に選定された重要単語1,572、熟語997となっています。
![]() |
![]() |
鈴木 陽一『DUO 3.0』 |
同様の単語集と比較すると多めになっており、トピックとしてカウントされている語彙レベルを考えると、おおむねイントロダクションで記載されているスコアレベルと一致するものと見られます。
例文中の英単語が重複していないので暗記効率が高い
形式としては例文の後にその例文に含まれている重要英単語・英熟語の解説となっていますが、『DUO 3.0』の特徴は2つあります。
まず1つ目は、重要語彙として取り上げられている単語・熟語合計2,600が、各例文にほぼ重複なしで盛り込まれている点です。
これによって最小の例文数で数多くの単語・熟語に触れることができます。これは自分で単語カードを作る等の方法をとって例文を添付しようと思ってもなかなかできる事ではなく、編集者の多大な労力のたまものと言えます。
![]() |
![]() |
鈴木 陽一『DUO 3.0』 |
1単語1例文方式の単語集と比較した場合、『DUO 3.0』の「最小の例文数で多くの語彙に触れられる」という特徴は時間のない社会人の方等で、短期間にできる限り語彙を増やしたい方にはうってつけです。
大学受験生の場合は、これ一冊でも難関大学の受験に十分に耐えうるレベルです。
2つ目に、トピック語彙の関連語に関して解説が充実している点です。トピックとして取り上げている英単語に関して、例文に記載されている意味以外の意味の解説が充実しており、さらに同義語、類義語、対義語もリストアップされています。
英熟語に関しても同じ意味、反対の意味の熟語が多く掲載されており、解説部分まで熟読すれば語彙レベルは先述の本書の対応レベルよりはるかに高い語彙レベルに到達できるでしょう。
リスニングCDは別売なので注意が必要です
リスニングCDは付属しておらず、和訳と英文が交互に収録されたタイプの『基礎用』と英文のみの『復習用』の2種類があります。用途に応じて、適切なCDを選択できるようになっています。
復習用CDの収録音声の速度を測定したところ、約160語~175語/分でした。語学書のCDとしては標準的~若干速い音声です。
話者は男性が中心ですが、女性が発音している英文もあります。全体的にはっきりとクリアと発音されており、学習用音声として高品質なものとなっています。
各英文は長くないので、シャドーイングやディクテーションだけでなく、リピーティング学習用にも使えます。
中級者と上級者で活用方法が異なる
『DUO 3.0』は英単語学習書の定番と言えるほど有名な本です。
単に英単語と対応する日本語の意味の羅列にとどまらず、短い例文付、しかも最小の例文数で多くの重要語彙を取り上げていますので、最低限の時間で多くの語彙を実際の使われ方を同時に確認しながら学べる点で学習しやすい本と言えます。
語彙力の基礎固めのために、『DUO 3.0』の構成通り例文を読み、語彙の意味を覚えていくというように使うのであれば初学者~TOEICスコア500~700ほどの中級者におすすめです。
その際の使い方としては例文のCDを聞いて、その後声に出して読み例文ごと覚えていく方法が良いでしょう。『DUO 3.0』の例文は口語調のものも多く含まれており、そのまま会話にも使える文章が多く収録されていますから、スピーキング力向上の一助になります。
例文主義ではなく文脈主義という考え方も有力
一方、Z会の速読速聴・英単語シリーズのような文章・文脈の中で語彙を覚えていくという文脈主義の考え方も有力です。
このため、特に中級者以上の人は、語彙力を増やすためにある程度の長さのある英文を数多く読む「多読」に取り組んでいる人も多いかと思います。
語彙力をつけるために多読を行うことは、文脈の中で語彙を覚えられること、また同じ語彙の異なる使われ方が実感として分かることから非常に有用です。
-
-
あわせて読みたい【レビュー】速読速聴・英単語 Core 1900:現代英語の中核となる英単語を文脈主義で覚える長文型単語帳
『速読速聴・英単語 Core 1900』は、Z会『速読速聴・英単語』シリーズの核となる英単語帳です。『速読速聴・英単語』シリーズは、長文の文脈の中でボキャビルを行う「文脈主義」を特徴としています。 同 ...
続きを見る
では、多読を実践できるほど英語力がついている中級者や上級者には本書のように短文の例文と、トピックの語彙の簡単な解説がつけられている英単語教材を使う意味がないのかというとそうではありません。
すでに述べましたが、『DUO 3.0』にはトピック語彙の類義語や対義語がコンパクトに多数収録されています。
TOEICスコア700以上の上級者の使い方としては、トピック語彙だけではなく解説中のこれらの類義語等に関しても、「チェック用又は記憶違いをつぶすために使う」という方法を取れば本書を十二分に活用できます。
例えば上級者の使い方の一例として、まずトピックの語彙及び、その類義語等として掲載されている語彙も併せて、知っている語彙・知らない語彙・誤って覚えていた語彙等に分けていきます。
それぞれ印をつける、または知っているものは塗りつぶしてしまっても良いでしょう。その後、知らない語彙だけを重点的に覚えていくという方法です。
このような方法で自分の語彙をチェックすると、知らない語彙が案外たくさん見つかるものです。こうすることで上級者も語彙力をさらに正確なものにし、より伸ばしていくことができます。 質問 私は社会人ですが、独学で英語を勉強しています。そこで問題なのが覚えている単語の少なさです。 何とかしようと書店の単語本コーナーをうろうろするのですが、色々あってどの本が良いのか分かりません。何か ... 続きを見る
あわせて読みたい編集長・neco_userが教える『語彙力がグングン高まる!お薦めの単語帳と勉強法』
まとめ
- 英単語と熟語が重複しない例文で覚えていくことを特徴とする。
- トピック語彙の類義語、対義語も多く収録している。
- 初学者・中級者は語彙力の基礎を固め、TOEIC730クラスを狙う。
編集長からひとこと
中級(TOEICレベルB)の各単語の代表的な意味を覚えたい方には、とても有力な単語帳です。『DUO 3.0』で中級レベルまでの英単語を速攻でマスターしてしまえば、多読系の参考書に進んでも、かなり英文を読みこなせるはずです。