英語の勉強法について予備校のリアルな授業を漫画化したのが本書です。英語はやみくもに勉強するのではなく、時間対効果を考えたやり方が必要です。
英語は他の科目と違う勉強法をしよう
理科、数学、社会、国語が机に向かって勉強する科目だとすると、音楽や体育は体で覚える科目です。英語はこれらの科目のちょうど中間に位置するもので、机に向かっての勉強と、体で覚える勉強法の両方が必要になります。
学校教育でよくあるように、文法や語句を覚える勉強ばかりしていてもダメです。ピアノが弾けるようになるのと同じ仕組みで、覚えたことを体に叩きこませて英語を話したり、書いたりが即座にできるようになることが必ず求められます。これを著者は言語反射神経と呼んでいます。
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安河内 哲也『英語の勉強法をはじめからていねいに』 |
言語反射神経を鍛えるために音読学習法を勧めています。まずは英文をゆっくりと読みます。その後に日本語を音読します。次にスピードを速くして音読し、英文を暗唱します。最後に英文の中の単語を入れ替えてオリジナルの文を作ることで応用力が身につきます。
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安河内 哲也『英語の勉強法をはじめからていねいに』 |
第二言語としての英語には文法が必要である
英語を母国語とする人たちは、小さいときに何年もかけて両親や家族が話す英語をたくさん聞いて育ち、自分も練習を重ねていくため自然に英語が話せるようになります。日本人が同じように英語を自然に覚えようと思ったら、日本にいる限りは難しいでしょう。私たちは効率よく英語を学ぶ必要があり、そのためには文法が必須です。
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安河内 哲也『英語の勉強法をはじめからていねいに』 |
英語圏の子供たちが長い期間をかけて、言葉のルールを毎日の生活の中で学んでいくのに対して、わたしたちは文法というルールを学ぶことで効率的に英語学習をすることができます。文法は覚えなくても良いという考え方もありますが、ルールや基礎がなければ上に積み上げていくことはできません。文法のみを重視するのではなく、基礎として必要なものだということを覚えておきましょう。
単語の覚え方はいろいろやってみる
単語を覚えるのに、これが絶対に良い!という決まったものはありません。人に合ったもの、その時の気分、単語によってなど時と場合に応じて、一番良い方法を選んで単語を覚えましょう。コツとしては、長文の中で単語を覚えていきながら、単語集も活用します。単語は1度見ただけで覚えられるものではありません。
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安河内 哲也『英語の勉強法をはじめからていねいに』 |
何度も同じ単語に出会って、だんだんと覚えていくので、なるべく多くの単語に何度も出会うようにします。やみくもに単語を覚えていくよりも、接頭語や接辞後を利用して単語の意味を推測する方法もあります。例えばpreと単語の前についていれば、「~の前に」という意味があるので、知らない単語でもそこから推測ができます。他に、1つの単語やテーマから派生して単語を覚えていくのもおすすめです。
英語長文を制覇するコツ
センター試験の3分の2をしめる長文問題では総合力が試されます。精読力、速読力、論理力が必要です。精読力は英文を丁寧に読んでいき、内容を理解することです。読む際には主語と述語がどれなのか考えながら読んでいくと、内容が掴みやすくなります。速読力は早く長文を読んでいくことです。
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安河内 哲也『英語の勉強法をはじめからていねいに』 |
1つのコツとしては、意味ごとに語句を区切って読む、区切り読みをすることです。そして左から右へ英文を順番に読んでいき、決して前に戻って訳していこうとしないことが速読のカギです。論理力は筆者の言いたいことを理解することです。長文を読んだら、段落ごとに頭の中で要点をまとめるようにします。いずれの力も、以上のコツを考えながら、長文をたくさん読むことで慣れていきます。
まとめ
- 英語は頭と体を使って勉強すること。
- 文法を勉強するのは第二言語習得に大切である。
- いろんな方法で単語を覚えることが肝要。
- 英語の長文はコツをおさえて多読する。
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