Z会発行の大学入試用英作文参考書です。これ1冊で、国公立・私立難関大学の入試問題レベルまで攻略が可能です。
『実戦編 英作文トレーニング』は、1996年に発行された『実戦編 英作文トレーニングシリーズ』をリニューアルしたものです。
一部例題を最新の入試問題から取り入れたほか、全体を通して表現や語句、レイアウトも見直されました。同シリーズにはほかに『はじめる編』『必修編』『自由英作文編』があります。
大学入試の「英作文力」に問われるもの
使える英語を身につけるという旗印のもと、従来の「読む・聞く」に加え、「英語で書く・話す」スキルがより一層重要視されるようになりました。
私立大や国立二次試験では、自由英作文を課す大学も数多くあります。そしてその課題文は、そのままでは英文にしづらいものもしばしば見受けられます。
日本語と英語の発想、表現の仕方の違いをいかに処理するか…そこには、テクニックが要ります。字面そのままを訳そうとするのではなく、課題文の“中味”を的確に表現することが求められるのです。
つまり、ひらめき力・日本語力も問われることになりますね。総合力を判断したい大学入試にはもってこいですから、今後もこうした出題傾向は続くことでしょう。
3ステップで力をつける
本編は「標準編(例題30問)」「上級編(例題35問)」「自由英作文編(例題5問)」の3章にわかれ、問題数は合計70問となっています。例題の合間に「Coffee Break」というコラム形式の語句・表現の説明があります。
各例題は、「Step1分解しよう」「Step2まとめよう」「Step3洗練させよう」という3ステップで英文を組み立て、ブラッシュアップするという流れになっています。「アプローチ」という指針にしたがって、構文を選び、語句を選び、文を組み立てていきます。
解答例としては、合格点を取れる「合格解答」と、さらにレベルアップした「洗練解答」(ネイティブの視点を取り入れた、より自然な解答)が紹介されています。
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Z会編集部『実戦編 英作文のトレーニング』 |
自由英作文編では、テーマの考え方や発想法、文の構成について細やかに指針を提示してくれています。標準編・上級編で学んできたことの総まとめというイメージです。
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Z会編集部『実戦編 英作文のトレーニング』 |
構文暗記で表現のストックを増やす
英作文では、課題文の中味を、自分の知っている単語や構文を駆使して表現することが必要になってきます。そうすると、もとになる構文をたくさん知っていればいるほど有利になるわけですね。
『実戦編 英作文トレーニング』には巻末に暗唱例文集(300文)をとじこんであります。コツコツと暗唱に取り組みながら、標準編→上級編→自由英作文編と段階を踏んでいけば、着実に力をつけることができます。
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Z会編集部『実戦編 英作文のトレーニング』 |
英作文はなかなか自学自習が難しい分野ですが、この参考書のようにひとつひとつ丁寧に順を追って解説を読めば、英文に変換するコツのようなものが見えてくることでしょう。
『実戦編 英作文トレーニング』は、長年添削指導を行ってきたZ会のノウハウが生かされた参考書だと感じました。
まとめ
- 英作文の「考え方」を身につけ、大学入試で通用する英作文力を養成する参考書です。
- 及第点レベルの「合格解答」と、より自然な表現の「洗練解答」の2パターンを用意。
- 暗唱例文集→標準編→上級編→自由英作文編と段階を踏んで学ぶことができます。