質問
TOEIC600点ぐらいです。アメリカの刑事ドラマなどを字幕なしで見ていると、全然意味が分かりません。単語は聞き取れるのですが…。特に単語と単語がひっついているときは聞き取れないことが多く、どうやったら聞き取れるようになるのか謎です。
ネイティブな方の What time do you have? すら聞き取れません。Hとかよく消えますよね。簡単な言いましでも、発音が消えたりつながったりしてしまうと聞き取れないような人間はどうすればいいでしょうか。やっぱり、パターンを覚えて理解したほうが良いのでしょうか。
回答(さかえ)
TOEIC600点ということで、基本的な読解力や語彙力はあるものとお見受けします。
さて、ご相談の件ですが、ネイティブスピーカーはよく省略した発音や音便を使うので聞き取りにくいことがありますよね。ご質問の”h“が消えるだけではなく、単語をつなげて話されたり、”and another…”が「あななざー」に聞こえたり…。学習書やテストなどの「きれいに、標準的に」発音されている英語は聞きとれても、これに対応することは中々難しいものと思います。
この問題は、日本語で言えば標準語に対する方言やアクセントの違い、またはフォーマルな所やニュースキャスターが話す正式な言葉と、友達と話すくだけた言葉の違いとイメージしてみてください。
標準語や、ご自分の生まれ育ったところのイントネーションとは異なる発音で話されると、日本語でも少々戸惑う場合がありませんか?けれど実際にはその地方特有の言葉で言われない限り、少々聞き取りにくいなと思うことがあっても、意思疎通にあまり不便はないのではないでしょうか。
例えば北海道では「寒い」を「しばれる」など、標準語とは全く違う言葉で表すことがありますが、そういう全く分からない、標準語の原型をとどめていない言葉で話される場合でもない限り、多少アクセントやイントネーションが違っても会話は成立していますよね。
これはなぜかというと、「日本語には十分に慣れているから、多少アクセントやイントネーションが違っても理解に問題はない」ためです。どの分野においても、人間は「自分ができること、慣れていることは他の人が多少違う方法でしているものを見ても聞いても理解できる。対応することもスムーズである」という特性を持っています。
例えば私は武道有段者ですが、K-1や空手の世界大会を見ていて、ハイキックがきれいにヒット・ダウンしたなどの誰が見てもわかりやすい試合結果でなくても、なぜKOになったのか、未経験者が不思議な顔をしていても良く分かります。同じように野球経験者がプロ野球を見た場合は全く野球をしたことがない方よりも理解が早く・かつ深いでしょうし、サッカー経験者もしかりです。
英語も同様です。自分が英語の発音の練習をし、スムーズに発音できるようになっておくことでリスニングも飛躍的にやりやすくなります。ご自身のTOEICのスコア内訳を見直してみてください。リスニングセクションのスコアは伸び悩んでいませんか?TOEICは海外ドラマや映画程にくだけた発音のリスニングスクリプトにはなっていませんが、そのようなスタンダードな英語のリスニングには対応できているでしょうか?
もしもTOEICのリスニングが伸び悩んでいるのであれば、もう一度ご自分の発音を、シャドーイング・リピーティング・音読などをしながら見直してみましょう。最初から音便があまりに多い発音や、訛りのある発音を練習することはおすすめできません。外国語としての英語を勉強するわけですから、まずは標準的な言葉・標準的な発音を身に付けることが最優先です。学習書付属のCDなどをまねて、まずは標準的な発音を話し、聞きとる練習をしましょう。
そのように、「英語のスタンダード」、いわば幹となる部分をしっかり作っておけば、枝葉の部分であるアクセントの違い、発音の消失や省略などに関しても対応しやすくなります。
ご自身の発音を見直し終わったら、または現状でもTOEICのリスニングはある程度得点できている、学習書付属CDのリスニングにも問題はないということであれば、ご質問のネイティブの発音の省略や消失などに慣れる方法に入りましょう。
さて、スタンダードな言葉を身に付けたうえで、実際にこういったネイティブの発音に対応する勉強方法ですが、英語のこういったご質問のhの消失は、前の単語とつながって発音されるので特に慣れないと聞き取りにくいものです。ただし、このような省略や消失は、ネイティブが口に出して話しやすいように形を変えただけのものなので、ある法則があります。
例えば、
I want have a break → I want’ve a break
(表記すると文法的には誤りですがこう聞こえることは多いです)
Tell them → tell’em
などのように、「hやthは前の言葉とつなげて発音される場合」等です。
しかもこのような法則はあまり多いものではありません。スタンダードな発音を身に付けたうえで、この法則を知っておくことで、このように発音されたときも音のかたまりとして理解することができるようになります。
このような法則を紹介している本には、市販の発音教材の中で「UDA式30音練習帳」などがあります。このような本でまとめて法則を覚えてしまいましょう。
そのうえで、アメリカのドラマ、できればDVDなどで任意に英語字幕をON/OFFできるものを見て、「字幕なしで見る→字幕ありで見て発音の消失の法則などを確認してみる、できれば一時停止・巻き戻しなどを使って自分でも発音してみる」の方法を繰り返して覚えていくと良いでしょう。
回答(Tomomi)
ドラマを見るということは、英語を聴きとる力をアップさせるのに良い方法です。意味が全然分からないということなので、聴き取りやすいドラマを見ることをお勧めします。刑事ドラマだと難しい語句が出てくることも多いため、英語学習中に聴き取りの勉強のために利用するには適していません。
例えば、「FRIENDS」という海外ドラマを聞いたことがありますか?日常生活を題材にしているので、基本的な単語が出てきて、英語の音と音のつながりを知っていくために役に立ちます。映画でも刑事・戦争・アクションなどよりドラマのように日常生活をテーマにした家族の物語や学校の話などが英語学習には良いでしょう。
音のつながりが聞き取れるようになりたいなら、英語でドラマや映画を観る際に、日本語字幕ではなく、英語字幕を使用することが良いです。英語で聴いていても聞き取れなかったのは、どの単語とどの単語の組み合わせだったのかがわかるはずです。